44年前に戒厳令を出した人物
歴史を振り返ると、初代大統領の李承晩(イ・スンマン)氏は在任中に亡命、3代目の朴正煕(パク・チョンヒ)氏は在任中に暗殺という悲劇にみまわれた。
5代目の全斗煥(チョン・ドゥファン)氏と6代目の盧泰愚(ノ・テウ)氏は、退任後の1995年に逮捕された。79年の粛軍クーデターと80年の光州事件での反乱・内乱罪容疑、在任中の収賄容疑だった。裁判では最終的に、全氏は無期懲役、盧氏は懲役12年の刑が確定した(いずれも97年に特別赦免)。
なお、尹大統領の戒厳令の宣言は、80年以来44年ぶりだった。その時に発令したのは、軍の実権を握っていた全氏。これにより光州市で学生と軍が衝突し、市民の間で多数の死傷者を出した光州事件につながっていったのだ。