東京・秋葉原のAKB48劇場で改装工事が完了し、オープンから丸19年にあたる2024年12月8日、柿(こけら)落とし公演が行われた。
演目は、総合プロデューサーの秋元康氏(66)が書き下ろした「ここからだ」公演。「第2期黄金時代」を念頭に置いたタイトルだ。報道陣など関係者に最終リハーサル(ゲネプロ)が公開され、4代目グループ総監督の倉野尾成美さん(24)は「これから目指す夢」が「東京ドームのステージ」と明かした。テープカットに駆け付けた1期生で初代総監督の高橋みなみさん(33=16年卒業)も「ぜひかなえてほしい」とエールを送っていた。
2本の柱にはLEDパネル、パフォーマンスを投影
AKB48劇場は05年12月8日にオープン。24年3月のコンサートで老朽化に伴う全面リニューアル工事を発表し、9月から工事を行っていた。収容人数は改装前と同じ250人だが、座席は144から160に増加。木製だった椅子にはクッションがついた。
ステージ後方には幅14メートル、高さ2メートルのLEDパネルを設置し、楽曲にちなんだ画像や歌詞を表示。客席の中にあり、観客の視界をさえぎっていた2本の柱にもLEDパネルがつき、パフォーマンスの様子を映せるようになった。2本の柱には、毎年12月8日に1本ずつピンクのテープを貼っていくのが慣例。テープつきの柱は、19本目を加えてロビーに移設された。
秋元氏が新公演を書き下ろすのは、「M.T.に捧ぐ」公演(16年2月初演)以来8年10か月ぶり。11月29日に公開された動画では、秋元氏がタイトルの意図を「ここから第2期黄金時代を迎えますよ、という意味」だと説明していた。新公演は全16曲で、1曲目は同じタイトルの「ここからだ」。センターポジションに立ったのは小栗有以さん(22)で、運営会社によると「『かつて栄えた国の復古』とAKB48を重ね合わせた壮大なバラード」だ。
東京ドーム目指すことは「軽々しく言っていい言葉ではない」けれど
倉野尾さんは終盤、「初日メンバー16人に加え、これから初日を控えているメンバー含め42人全員でAKB48です」とあいさつ。さらに、
「この42人で、これから目指す夢は、東京ドームのステージです」
と話した。
AKB48は発足初期から東京ドーム公演を目指しており、06年8月には公式ブログのタイトルに「AKB48 TOKYO DOME までの軌跡」と掲げていた。東京ドーム公演は12年8月に実現したが、14年8月を最後に開催されていない。倉野尾さんと小栗さんは、この14年8月のコンサートに出演している。
テープカット後に取材に応じた倉野尾さんによると、東京ドームを目指すということは「軽々しく言っていい言葉ではない」が、「いつかやっぱり言わなきゃいけないというか、言った方がいいな......ではないが、目指すべきもの」。新公演の準備を進めていくうちに「本当に目指したいなという気持ちが芽生えたし、自分の口から言うことで始まるのではないかと思った」という。
隣で決意を聞いていた高橋さんは、「ぜひ行ってください」と背中を押した。劇場公演は「秋元先生からの手紙」で「AKB48を新しいフェーズに連れていってくれる」として、次のようにエールを送っていた。
「リハ中に歌詞を受け止めて踊って、自分たちの曲なんだ、ここから始まるんだ、と思ったときに東京ドームに立ちたいと思えたことは素晴らしいことだと思うし、ぜひかなえてほしい」
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)