子どものスマホとパソコンは「遊び」か「学習」の機器か? 親の考えも「二極化」...親次第で子も変わる

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   親は、子どものスマホやパソコン利用をどう見ているのだろうか。

   NTTドコモのモバイル社会研究所(東京都千代田区)が2024年12月21日に発表した調査「【子ども】スマホは『遊びの機器』、パソコンは『学習の機器』と思っている親が多い」によると、スマホは「遊び」、パソコンは「学習」の機器と考える親が非常に多いことがわかった。

   果たして子どもはどう利用しているのか。調査担当者に聞いた。

  • スマホは「遊び」か「学習」の機器か?
    スマホは「遊び」か「学習」の機器か?
  • (図表1)スマホ・パソコンを子が利用することへの親の考え(モバイル社会研究所作成)
    (図表1)スマホ・パソコンを子が利用することへの親の考え(モバイル社会研究所作成)
  • (図表2)学習か遊びか、スマホ・パソコンを子が利用することへの親の考え(モバイル社会研究所作成)
    (図表2)学習か遊びか、スマホ・パソコンを子が利用することへの親の考え(モバイル社会研究所作成)
  • (図表3)スマホは「遊び」を思っている親と子の利用時間は長い(モバイル社会研究所作成)
    (図表3)スマホは「遊び」を思っている親と子の利用時間は長い(モバイル社会研究所作成)
  • (図表4)スマホは「学習」を思っている親と子の利用時間は短い(モバイル社会研究所作成)
    (図表4)スマホは「学習」を思っている親と子の利用時間は短い(モバイル社会研究所作成)
  • スマホは「遊び」か「学習」の機器か?
  • (図表1)スマホ・パソコンを子が利用することへの親の考え(モバイル社会研究所作成)
  • (図表2)学習か遊びか、スマホ・パソコンを子が利用することへの親の考え(モバイル社会研究所作成)
  • (図表3)スマホは「遊び」を思っている親と子の利用時間は長い(モバイル社会研究所作成)
  • (図表4)スマホは「学習」を思っている親と子の利用時間は短い(モバイル社会研究所作成)

スマホを「遊び」と考える親の子は、スマホで遊ぶ時間が長い

   モバイル社会研究所の調査(2023年11月)は、関東1都6県で小学生および中学生の子どもを持つ親600人が対象。

   今回、親が子どものスマホとパソコン機器利用をどう思っているか、まず「学習」「遊び」「人との繋がりを豊かにする」という3つの項目で聞いた。【図1】のとおり、スマホは「遊び」や「人とのつながりを豊かにする」機器と考える親が多いのに対し、パソコンは主に「学習」を目的とした機器と考える親が多かった。

   次に、「学習」と「遊び」のどちらを重点的に考えているかを聞いた結果が【図表2】だ。多くの親がスマホは「遊び」、パソコンは「学習」と捉えていることがはっきりした。

   さて、親が子どもスマホ利用を「遊び」とみるか、「学習」とみるかによって、それぞれの子どものスマホを使う平均時間が違ってくることが今回の調査の興味深い点だ。【図表3】はスマホを「遊び」だと思っている親の子どもの利用時間だ。子どもの利用時間が1日1.5時間と長い。

   ところが、【図表4】のスマホを「学習」だと思っている親の子ども利用時間を見ると、子どもの利用時間は1日1時間と短くなる。これは、いったいどういうことだろうか。

「遊び」派のスマホ、「学習」派のパソコンと、親が二極化

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめたモバイル社会研究所の水野一成さん(子ども・防災・シニア調査担当)に話を聞いた。

――子どものスマホやパソコンは「遊び」の機器か、「学習」の機器かというユニークな視点の調査ですが、極端な結果が出ていますね。スマホを「学習」と考える親は6%だけ。パソコンを「遊び」考える親も8%のみ。

さながら「遊び」派のスマホ、「学習」派のパソコンといった印象ですが、パソコンでは「学習と遊びが半々」と答えた親が4割います。この結果をどう見ますか。

水野一成さん 文部科学省が2019年から始めた「GIGAスクール構想」によって、小中学校では児童生徒に1人1台の端末を与えてICT教育が行われています。学校で学習に利用する情報機器はパソコンまたはタブレットですので、その結果が今回の調査でも反映されて、パソコン=「学習」と考える親が多くなったと思われます。

スマホに関しては、当研究所の調査でも小中学生にゲームや動画視聴、SNSを中心に利活用されています。毎日YouTubeを見ている子は中学生で8割、小学生で7割です。SNSを利用している子は中学生でほぼ100%、小学生では6割です。その印象が調査結果に表れたと思われます。

――子どもたちはスマホでは勉強しないのでしょうか。

水野一成さん スマホで勉強するのは小学生で1日2~3分くらい。中学生になると1日10数分ですが、スマホを利用した学習も増えていきます。

また、中学生のパソコン利用は、勉強と遊びの時間がほぼ同じか、若干勉強のほうが多くなります。パソコンが「学習と遊びが半々」と答えた親が多かったのは、こういったことが背景にあるとみられます。

――スマホを「遊び」と考えるか、「学習」と考えるかを比較した【図表3】と【図表4】の結果が面白いです。親がスマホを「遊び」と考えているほど、子どもの利用時間が長くなりますが、逆にスマホを「学習」と考えているほど、利用時間が短くなります。これは、どういうわけでしょうか。

水野一成さん 因果関係は分からないですが、スマホを「遊び」と考えるケースの【図表3】では、親のスマホ利用状況と、子どもものスマホ利用状況の間に相関が見られました。

ここから推察されるのは、親が遊び(?)でスマホを多く使っていると、子どもも多く使うようになる、あるいは親が子どもに多く使うことを許容しているということです。

しかし、「学習」と考えるケースの【図表4】からはそのような相関は見られませんでした。

子はさまざまな情報機器を使っている、親も一緒に学んではいかが

――なるほど。親が遊びで使っている姿を見れば、子どもも真似しますよね。それに、そもそもスマホで学習する親もあまりいないでしょうから。

水野一成さん 「GIGAスクール構想」がなかった時代に生まれた親世代は、情報機器を学習で利用した経験があまりない人が多いと思います。このため、今回はその影響が結果に表れているのかもしれません。

――その親世代が、スマホやパソコンを子どもの学習に上手に使わせるにはどうしたらよいでしょうか。

水野一成さん スマホやパソコンといった情報機器には、それぞれの用途に合わせた利点があります。最近では、多くの子どもたちがさまざまな情報機器を使っているので、お子さんと一緒に何を、どこで、どのように使うかについて話し合うことをお勧めします。

そういった背景も今回の結果に表れているのではないでしょうか。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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