「遊び」派のスマホ、「学習」派のパソコンと、親が二極化
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめたモバイル社会研究所の水野一成さん(子ども・防災・シニア調査担当)に話を聞いた。
――子どものスマホやパソコンは「遊び」の機器か、「学習」の機器かというユニークな視点の調査ですが、極端な結果が出ていますね。スマホを「学習」と考える親は6%だけ。パソコンを「遊び」考える親も8%のみ。
さながら「遊び」派のスマホ、「学習」派のパソコンといった印象ですが、パソコンでは「学習と遊びが半々」と答えた親が4割います。この結果をどう見ますか。
水野一成さん 文部科学省が2019年から始めた「GIGAスクール構想」によって、小中学校では児童生徒に1人1台の端末を与えてICT教育が行われています。学校で学習に利用する情報機器はパソコンまたはタブレットですので、その結果が今回の調査でも反映されて、パソコン=「学習」と考える親が多くなったと思われます。
スマホに関しては、当研究所の調査でも小中学生にゲームや動画視聴、SNSを中心に利活用されています。毎日YouTubeを見ている子は中学生で8割、小学生で7割です。SNSを利用している子は中学生でほぼ100%、小学生では6割です。その印象が調査結果に表れたと思われます。
――子どもたちはスマホでは勉強しないのでしょうか。
水野一成さん スマホで勉強するのは小学生で1日2~3分くらい。中学生になると1日10数分ですが、スマホを利用した学習も増えていきます。
また、中学生のパソコン利用は、勉強と遊びの時間がほぼ同じか、若干勉強のほうが多くなります。パソコンが「学習と遊びが半々」と答えた親が多かったのは、こういったことが背景にあるとみられます。
――スマホを「遊び」と考えるか、「学習」と考えるかを比較した【図表3】と【図表4】の結果が面白いです。親がスマホを「遊び」と考えているほど、子どもの利用時間が長くなりますが、逆にスマホを「学習」と考えているほど、利用時間が短くなります。これは、どういうわけでしょうか。
水野一成さん 因果関係は分からないですが、スマホを「遊び」と考えるケースの【図表3】では、親のスマホ利用状況と、子どもものスマホ利用状況の間に相関が見られました。
ここから推察されるのは、親が遊び(?)でスマホを多く使っていると、子どもも多く使うようになる、あるいは親が子どもに多く使うことを許容しているということです。
しかし、「学習」と考えるケースの【図表4】からはそのような相関は見られませんでした。