駐日ジョージア大使のティムラズ・レジャバ氏が2024年12月5日、「ジョージアで起きていることについてお話をしたい」として、Xに動画を投稿した。
政府に対する大規模なデモが続くジョージアの現状について説明を行う内容だ。その内容は、ジョージア政府の見解に沿ったものだという指摘が相次ぐ中、その「真意」をめぐりSNSがざわめいている。
「ジョージアでは大規模なデモが連日続いており......」
レジャバ氏は「信頼する皆様へ ジョージアの現状について なるべくわ分かりやすく 言わなければならないことを言います できるだけ多くの拡散を」(原文ママ)として、10分30秒の動画を公開した。
研究のため福島県を訪れているというレジャバ氏は、屋外でカメラに向かった。
「この1週間くらい、ジョージアでは大規模なデモが連日続いており、現在のところ、悪化する一方でありまして。まだ、なおる兆しが見えません」
ジョージアのイラクリ・コバヒゼ首相が「ジョージアは、EU加盟交渉を開始する協議を2028年まで行わない」と明言したことが発端だといい、これまでも与党側が「親ロシア派」だと言われてきたという。
レジャバ氏は現在のジョージア政府について「親ロシア派でもなければ、EUの加盟を離脱した・停止したということも一切ございません」と報道を否定し、「これは、一部の情報が"そのように解釈しようとする方面"からそのまま日本に入ってきて、記事になったり誤解を生んでいる状況でございます」と説明した。「ジョージアはロシアとは一切外交上のやり取りがない、断交の状態であります」という。
大規模デモにはジョージアの国会選挙も影響「他に道がないから」
EU加盟については「際どいんですけれども」としつつ、「EU側がジョージアの加盟交渉開始のサイン・署名を行う場合、私たちも準備はできているし、2030年に正式なEU加盟ができるように私たちはこれからも準備する、と同じ声明で発表しております」などとした。
レジャバ氏をはじめ多くのジョージア人にとって、野党の動きは「理解できない」ものだとし、「一部の発言だけが歪曲されて、それが過激派の野党によって『デモを行おう』『政権を転覆させよう』という動きに利用されている」と感じているとした。
10日前の11月26日にジョージアで国会選挙が行われ、野党が惨敗したことも理由のひとつだとし、「他に道がないから、いろんな思想を利用して過激なデモを行って、政権をどうにかひっくり返そう」としているという。
また、ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、諸外国がジョージアにプレッシャーをかけ「直接的な内政干渉を行ってくる」ようになったという。こうした背景から、「いろんな方面からのプレッシャーに耐えながら、なんとか安定と平和を保とう」としているとした。
「縦読みは多数見てきたけど、こんな深刻なやつは初めて見た」
10分もの動画で、現政府の見解に忠実な説明を行ったレジャバ氏。一方で、投稿を見た人からは「ジョージア政権の意向そのままのプロパガンダを流す大使。しかし... これは縦読みか...」「古の2ちゃん時代から縦読みは多数見てきたけど、こんな深刻なやつは初めて見た 心中お察し申し上げます...」など、その真意はむしろ短いコメントの方にあるのではないかとする声が上がっている。
投稿に添えられた文章を頭から一文字ずつ取ると、「信」「ジ」「な」「言」「で」つまり、「信じないで」となるためだ。
真意は定かではないものの、複雑な立場にあるレジャバ氏による決死のメッセージではないかと受け取るユーザーが多いようだ。投稿には、「大きな変化で 使うべき心遣いも多く ヲタクどもの相手も 信じれないくらい疲れますね。じっと るすばんするのもいいかも。ねこ大好き」=「大使ヲ信じるね」、「心が痛くなりました はやく混乱が収まりますように 大切な仲間が傷つきませんように しめやかに深く ときを忘れて祈っています 共にいます私達は共にいます にぎやかで楽しい日常が戻りますように」=「心は大使とともに」など縦読みで応援のメッセージが送られている。
信頼する皆様へ
— ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使 (@TeimurazLezhava) December 5, 2024
ジョージアの現状について
なるべくわ分かりやすく
言わなければならないことを言います
できるだけ多くの拡散を pic.twitter.com/3b4VXZfGW0