「1回でも食べ物が楽に手に入ると、また戻ってくる」
「弾がクマの体を貫通しますので、バックストップがないところでは撃てません。猟友会員が市街地で発砲して猟銃所持の許可を取り消され、控訴審で敗訴した北海道の判例がありますので、警察もなかなか発砲を認めてくれないのではと思っています」
今回駆除したツキノワグマは、体長1.1メートル、体重69キロの成獣のメスだった。
殺処分を巡っては、2日に箱わなにかかったと報道されてから、市に電話やメールが相次いでいると明かした。
最初は、「殺さないで下さい」「山に返して」といった意見だったが、処分が報じられてからは、「なぜ殺した?」と問い詰める電話などに変わったという。2日は、電話が37件、メールが8件あり、その9割が苦情だった。自然保護団体を名乗る電話も、何回かかかってきたという。電話やメールで分かったもののうち、8割は県外からのものだった。
3日も、朝から昼過ぎまで、電話が5、6件、メールが20件ほど寄せられているとした。これまでに、計約70件の苦情があった計算だ。
秋田県の佐竹敬久知事は、23年10月23日の定例会見でクマ駆除への抗議電話はガチャ切りすると明かして話題になったが、市では、「かかってきた電話は、いきなり切れないです。貴重なご意見として受け止めます」とした。
クマを生かしてという要望については、市では、実現するのは難しいと説明した。
「クマに怖い思いをさせて、山の奥に放すという学習放獣は、今はしていません。クマは、学習能力が高いので、1回でも食べ物が楽に手に入ると、スーパーなどにまた戻ってくる恐れがあります」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)