歌手の荻野目洋子さんが2024年12月2日、ネットニュースの見出しで使われた自身をめぐる表現について、困惑をつづった。
「そんなふうに紹介されるのだったら名前ももはや必要ないですね」
荻野目さんが苦言を呈したのは、総合ニュースサイト「ENCOUNT(エンカウント)」が2日夕方に配信した記事のタイトルだ。
「高木ブーが恒例ライブ報告 55歳女性歌手の近影にも注目『素敵に歳を重ねている』」と題されたもので、ザ・ドリフターズの高木ブーさんと、サザンオールスターズのベーシストで「ウクレリアン」の関口和之さんの2人が率いる「1933ウクレレオールスターズ」のスペシャルライブの様子を伝えていた。
記事ではバンドメンバーのひとりである荻野目さんの近影にも触れており、見出しの「55歳女性」のワードは荻野目さんのことを指すとみられる。なお、2番目に大きな見出しには「荻野目洋子も参加の1933ウクレレオールスターズが年内ライブ納め」とある。
荻野目さんは記事のURLを引用し、「55歳女性歌手って...」と泣き笑いの絵文字を添え苦言。「年齢隠してないですけど、そんなふうに紹介されるのだったら名前ももはや必要ないですね 時代は変化しているのに...」と困惑をつづった。
続く投稿では、「91歳現役で歌唱&演奏された1933ウクレレオールスターズのレジェンド、ブーさんの美しい功績をまとめてくだされば何の違和感もなかったのに...」とあくまでも記事の主役はバンドを率いる高木さんだとした。
「興味を引いて数字を伸ばそうとする魂胆が見えて仕方ない」
その上で、「意味のない見出しを追加するのは、一つでも多く興味を引いて数字を伸ばそうとする魂胆が見えて仕方ないです」と率直な胸中を吐露。「文字数を考えても、年齢なんかよりもっと意味ある言葉で人の心を掴むべきでは?(いつも言うけど批判じゃないです。素朴な疑問)」とした。
実際に、ネットニュース業界では、芸能人の名前や商品名などの固有名詞をあえて出さないことでクリック率を高めようとする見出しも少なくない。
荻野目さんはマスコミに向け、「『ペンは剣より強し』今こそ世の中は心ある記事を欲しています」と訴えた。
Xに投稿した理由については、「自分の名誉とかの問題ではありません(むしろ逆)。誰も言わないから...そうやって続いていくネット社会の取り扱いに、おかしな気持ちを抱いています。ずっとこれからも続いていくのかな...」と説明した。
「怒ってるのではなく『危機感』です」
「そういう業社は放っておきなさい、と言われて済んでしまったら、子供達に『大人は信じてはダメです』と言い続けなくてはならないです(ツラい)」。「誤解のないよう、もう一度改めて言います。怒ってるのではなく『危機感』です」とつづった。
「オーストラリアの例の議案可決報道も目にしていないでしょうか」とし、オーストラリア議会が子供の安全を守るため、16歳未満のSNSの利用を禁止する法案を可決したことにも言及し、「読んでも何も感じない? のか、、、、世の中はこうして日々動いているのに。言葉を扱う職業として、私自身は考えさせられます。以上です」とまとめた。
荻野目さんの主張には、「最近この手の名前出さない(年齢と職種だけ書く)見出し、多すぎる印象ですね」「『誰のこと?』と記事に目を引くためのやり方なんでしょうけれど失礼すぎますね 記事を開いたらフォローしてあるから大丈夫とか思ってるなら考え違いですね」など、共感の声が寄せられている。
https://t.co/WcOf8ZGpuq
— 荻野目洋子 (@oginome_info) December 2, 2024
55歳女性歌手って…????年齢隠してないですけど、そんなふうに紹介されるのだったら名前ももはや必要ないですね????時代は変化しているのに…