「物流の2024年問題」運転手の残業規制で「モノが運べない」危機のはずが...逆に輸送量増加の不思議

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企業同士が連携する努力、トラックから船舶、鉄道への切り替え

   J‐CASTニュースBiz編集部は、レポートをまとめた帝国データバンク情報統括部の担当者に話を聞いた。

――輸送量が減ると心配されていたのに、輸送量が増加するとは意外な結果です。その理由は、ズバリ何だと考えていますか。

担当者 貨物輸送の4~7月のデータとなるので、まだ途上の段階ですが、春先ベースでは工事関連や再開発、設備投資などにより物流量が増加していたと考えられます。そのようななか、懸念されていた輸送力の不足という危機的な状況が、各社の企業努力の成果によって回避されたことも大きなポイントです。

各社の輸送効率化や、適正な運賃設定の進展が支えています。さらに、着実に進んでいるデジタルトランスフォーメーションといった技術革新も物流の効率化に貢献しています。

――運輸業界では「トラックの6割は、空気を運んでいる」という言葉があると聞きます。各社は具体的にはどんな輸送効率化の努力を行っているのですか。

担当者 たとえば、パレット輸送。「パレット」と呼ばれる荷役台を活用した輸送方法です。パレットを用いることで、手作業での積み下ろしよりもフォークリフトなどの機械での作業を増やすことで、荷役時間を大幅に削減できます。また、パレットを使用することで、トラック内に効率的に積載できる利点があります。

中継輸送という輸送方法もあります。これは、長距離の運行を複数の運転手で分担するのです。この方法により、ドライバーの負担が軽減されるだけでなく、拘束時間が短くなるため運転手不足の緩和にもつながります。また、これまでは長距離輸送に対応できなかった事業者も対応できるようになり、配送ネットワークの拡大が期待されます。

そのほか、車両の大型化や異なる会社同士の「共同配送」、トラック輸送から船舶や鉄道へ輸送に切り替えていく「モーダルシフト」などの取り組みも行われています。
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