秋篠宮さまが2024年11月30日の59歳の誕生日を前に記者会見し、この1年の出来事を振り返った。宮内庁は24年4月にインスタグラムのアカウントを開設したこともあり、SNSのあり方にも言及した。
SNSアカウントの開設で、天皇・皇后両陛下の動静をウェブサイトよりもタイムリーに伝えられるようになり「大変良かった」。その一方で、動静と宮内庁からの告知が一緒に掲載されていることが「ちょっと分かりにくい」とも指摘した。
秋篠宮家の情報をSNSでも発信することについては、すべての宮家を対象にした「皇室の広報の枠組み」の整備が必要だとした。ネット上に「バッシング情報」があふれていることへの対策については、具体的な対応は困難だとの見方も示した。
SNSの情報は全部ウェブサイトにも載っているのが理想
秋篠宮さまは、記者からの質問に答える形で、宮内庁のインスタアカウントに言及。アカウント開設で
「天皇・皇后両陛下の動静をタイムリーに伝えることができるようになって、私は大変良かったなという風に思っている」
とする一方で、
「見るときに、その2つ(両陛下の動静と宮内庁からの告知)がこう一緒になっていると、ちょっと分かりにくいなと思うことはある。これは宮内庁というお役所の特性によるものなのかもしれないが、そんな印象を持っている」
と指摘した。
ウェブサイトとSNSの関係についても持論を展開した。22年の誕生日会見では、両者を「惑星と衛星」の関係に例えている。今回もこの例えを使いながら、
「この2つは、きちんとリンクしていて、衛星(SNS)の方にある情報というのは、すべて写真も含めて惑星(ウェブサイト)の方にあるというのが理想だと私は思っているし、そこが導入部分で、(ウェブサイトという)情報の本体に触れるということは、システム上も分かりやすいかなと思う」
などと話し、インスタのコンテンツはウェブサイトにも掲載されるべきだとした。
「ウェブサイトとインスタグラム、これがバラバラに進めないようにすることが大事なのかなという風な印象を持っている」
秋篠宮家の情報をSNSで発信することについては、秋篠宮家に限らず、全宮家について「皇室の広報の枠組みというものをきちんと設定して、それに基づく情報発信というのが、ひとつ大事なのではないかと思っている」。何年かかけて条件を整えた上で、そこに秋篠宮家の情報発信を位置付けるべきだとした。
「バッシング情報」対策は「『いいね』の逆を見たら、とにかくクリック」
紀子さまが9月の誕生日の際、宮内記者会の質問に文書で寄せた回答では、ネット上のバッシングについて
「辛い思いをしている人が多くいるのではないかと案じています」
とした上で、
「私たち家族がこうした状況に直面したときには、心穏やかに過ごすことが難しく、思い悩むことがあります」
と言及していた。
秋篠宮さまは、「バッシング情報」について、「第三者と当事者ではおそらく意味合いが異なってくる」として、当事者は「いじめ的情報」と受け止めると指摘。その一方で、不特定多数が情報発信していることに加えて、
「そういう情報がアルゴリズム編集のような形で、ある一定の意見、それと違う意見に接しにくくなっているという現状がある」
と、いわゆる「エコーチェンバー」の問題にも言及。対応は困難だとみている。さらに、「宮内庁に求めること」についても、仮に宮内庁が何かについて抗議したとしても、
「でもそれが、どちらの方向に触れるかが分からない」
として、やはり具体的な対応を依頼するのは難しいと考えている。
そんな中でも、「バッシング情報」に対して低評価のボタンをクリックすることは、一定の意味があるとみている。
「おそらく......あれはなんて言うんでしょうね?『いいね』じゃない方の...(親指を下に向ける動作をしながら)逆のあれを見たら、とにかくクリックするぐらい...それ以外なかなか私は思いつかない」
記者会見は誕生日当日の11月30日報道を前提に11月25日に行われた。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)