「取引に不正があった場合は私財で弁償し、さらに切腹する」──。
四国銀行が公式サイトに掲載している「誓約書」の内容が、Xで驚きを集めている。これは明治時代に設立した前身会社の遺物であり、「四国銀行の至宝」として伝えられているという。同社に詳しい話を取材した。
「社会人としての倫理観、責任感の重さを伝える」
話題になっているのは、四国銀行が企業情報のひとつとして、公式サイトに掲載している「誓約書」というページだ。古い巻物や文書の写真が紹介されている。
誓約書の内容は、四国銀行の礎となる「第37国立銀行」(1878年設立、改称や合併を経て1897年に株式会社化、1923年に商号が四国銀行に変わった)が、お札の厳正な取扱いを遵守すべく、頭取以下全従業員23人が連署して血判を押したものの一部だという。下記のようにも説明されている。
「取引に不正があった場合は私財で弁償し、さらに切腹することを誓ったもの。銀行員としてだけでなく社会人としての倫理観、責任感の重さを伝えるもので、四国銀行の至宝として伝えられています」
原文としては、このように記されている。
「"誓約" 当銀行ニ従事スル者本行之金円ヲ盗用シ又ハ故(コトサ)ラニ人ヲシテ窃取セシメタルモノハ私財ヲ挙ケテコレヲ弁償シ而シテ自刃ス」