日産、武田薬品、富士通、第一生命、リコー...上場企業の希望退職募集が1万人に いったい今なぜ?

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   師走の足音が聞こえるなか、上場企業の早期希望退職募集が加速している。

   東京商工リサーチが2024年11月19日に発表した「2024年11月15日までの上場企業『早期・希望退職募集』状況」によると、コロナ禍の2021年以来、3年ぶりに1万人を超えることが確実なペースだ。

   しかも黒字企業の大型募集が相次いでいるのが特徴だ。いったい、今なぜ。調査担当者に聞いた。

  • 日本経済はどうなる?(写真はイメージ)
    日本経済はどうなる?(写真はイメージ)
  • (図表1)上場企業の早期希望退職の推移(東京商工リサーチ作成)
    (図表1)上場企業の早期希望退職の推移(東京商工リサーチ作成)
  • (図表2)損益別:早期希望退職企業(東京商工リサーチ作成)
    (図表2)損益別:早期希望退職企業(東京商工リサーチ作成)
  • 日本経済はどうなる?(写真はイメージ)
  • (図表1)上場企業の早期希望退職の推移(東京商工リサーチ作成)
  • (図表2)損益別:早期希望退職企業(東京商工リサーチ作成)

事業からの撤退・縮小や、改革を急ぐ企業の動きを反映

   東京商工リサーチの調査によると、2024年1月から11月15日までに「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は53社(前年同期36社)で、前年同期の約1.5倍のペースで推移している。集計の対象人員は9219人(同2915人)と3倍に増加、すでに2023年の年間社数、人数を上回った【図表1】。

   2024年11月に入り、国内外で9000人を募集する日産自動車、人数の上限を設定しない武田薬品工業、募集人数は未公表の富士通、50歳以上の社員を対象に1000人を募集する第一生命ホールディングスなど、年末を迎えて募集ラッシュ状態だ。

   それ以前には、リコー(約1000人)、シャープ(約500人)、オムロン(約1000人)、コニカミノルタ(国内外で約2400人)、資生堂(1500人)などが募集を発表、一部実施している。

   上場区分は東証プライムが37社(構成比69.8%)と圧倒的に多く、直近決算で黒字企業が32社(同60.3%)と6割を占めた【図表2】。新たな特徴は、募集人数を公表しない募集や、グローバル企業の国内外での大規模募集がみられることだ。従来は、黒字企業が構造改革や事業全体の変革を目的に行う募集が中心だったが、ここにきて様相が変わってきた。

   東京商工リサーチでは、

「変化する世界経済への対応や、新規分野への進出で既存分野の縮小、撤退による人員削減など、改革を急ぐ企業の動きを反映しており、今後も大型募集が続く可能性が高まっている。」

と分析している。

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