公職選挙法違反の疑いが指摘されている斎藤元彦氏の代理人弁護士による2024年11月27日の記者会見で、代理人弁護士は、発端となったPR会社代表のnote記事の内容が公開時から一部削除・修正されていたことを把握していなかったと明かした。
「SNS運用フェーズ」スケジュールの画像などが削除
問題となっているのは、PR会社「merchu(メルチュ)」の代表・折田楓氏が20日に公開した、兵庫県知事選における斎藤氏のSNS戦略や広報全般を担当していたとしてその具体的な内容を記載したnote記事だ。これに有償であれば公職選挙法違反ではないかとの指摘が相次いだ。
note記事は22日までに内容が一部削除・修正されている。例えば、「SNS運用フェーズ」と題された、提案資料の一部だとする画像などが削除されている。画像には、10月1日から投票日である11月17日までの期間を3つに分けた大まかなスケジュールが記載されていた。
また、もともと斎藤氏と面識があったことや、斎藤氏がメルチュを訪れたことが広報戦略を担うきっかけとなったとする記述、「ご本人は私の提案を真剣に聞いてくださり、広報全般を任せていただくことになりました」との一文も削除されている。
「客観的な事実として公職選挙法等の違反があったかどうか」が問題
27日の代理人の奥見司弁護士による記者会見では、フリーの記者が、変更前の記事を確認したかについて質問する場面があった。奥見弁護士は、「私がこの話を聞いたのが先週金曜日ですので、その時にただちに、おそらくプリントアウトしていますので」と説明。「改変ないし削除があったとして、それがいつ行われたのかまったく把握しておりません」とした。
質問をしたフリーの記者らからは、「(斎藤氏は)先生を騙してます」「(記事の変更を)ちゃんとチェックしないで会見に臨むなんて弁護士失格」とのヤジも飛ぶ事態に。
奥見弁護士は、記事の内容にかかわらず「客観的な事実として公職選挙法等の違反があったかどうか、そこが(問題)」だとした。
斎藤氏側は公職選挙法違反の疑惑について、メルチュにはポスターデザイン制作など5項目を依頼したのみだとし、違反には当たらないと主張している。27日の奥見弁護士の会見では、折田氏はXでの斎藤氏の応援アカウントの取得や投稿内容のチェックなどを行ったが、個人でのボランティア活動だったとの主張も展開された。折田氏の記事については、事実でない部分が含まれているとしている。