群馬県安中市内のJR信越線で、人気電気機関車を使った「ELぐんま」などのラストランを撮ろうと集まった鉄道ファンの一部が線路脇に潜み、列車が緊急停車する様子を撮った動画がXで投稿され、マナーの悪さに呆れる声が出ている。
線路内に立ち入ったファンらは、カメラなどを持って逃走していた。JR東日本高崎支社は、鉄道ファンかは確認していないとしながらも、「立ち入るのは危険ですので、止めていただきたい」と取材に話している。
車内からは「何やってんだよ!」の声
「ELぐんま」は、青とクリームのツートンカラーの電気機関車「EF64」形など3機がそれぞれ先頭になった列車だ。また、「DLぐんま」は、朱色のカラーのディーゼル機関車「DD51」形2機がそれぞれ先頭になっており、機関車はともに、国鉄が開発し、長年親しまれてきた。
これら計5機が引退することになり、JRでは、2024年9月15日からの土日祝日に高崎―横川駅間などで1日1往復、電気・ディーゼル機関車の間に客車5~6両を連結した快速の臨時列車を運行してきた。
カウントダウンが進んで、最後の土日になった11月23、24日には、EL・DLのラストランを撮ろうと、信越線の沿線には多くの鉄道ファンの姿が見られた。
ELぐんまの車内から線路内立ち入りを撮った動画は、まず23日にXで投稿された。
水田などが広がる風景の中をELぐんまが走ると、あぜ道には、カメラを構えた鉄道ファンらが20~30人ずつ並ぶのが見える。列車は突然、急停止し、線路脇にファン4、5人が潜んでいるのが見えた。車内では、線路内に人が立ち入ったとのアナウンスが流れたようで、ファンらは、カメラや三脚を担いで逃げ始めた。さらに、その先にも、数人が線路脇に潜んでいるのが見えたところで動画が終わっている。
緊急停車は、2度あったといい、2回目は、鉄道ファンらがカメラなどを担いで逃げていく姿が映っていた。車内からは、「何やってんだよ!」と一部ファンらの迷惑行為を嘆く声も漏れた。