「お金はいくらでもよかったと思います」
「お金はいくらでもよかったと思います。田中将大という、いち選手を楽天球団はどう見ているのか。そういうところがポイントだったと思います。田中選手からすると、楽天球団が選手として、そんなに高い評価をしてくれていないという風に感じたのかもしれません。僕からみたら、去年の10月に肘の手術をした。今年はリハビリの年とみてあげてもいいのかなと。そして『来年頑張ってもらおう』というくらいの気持ちでもよかったのかもしれない」
そして、こう続けた。
「できたら育ててもらった球団で最後まで終わる。そこで優勝を目指す。そういう形が1番きれいですし、本人も望んでいたことではないかと思いますが、自分に対する期待値が自分の思っている以上に大きくはなかった。そういうことではないかと思います」
田尾氏は現役時代、中日、西武、阪神の3球団でプレーし、指導者としては楽天の監督を1年間務めた。
プロの世界に精通する田尾氏は、今回の件にかんして「お互いにそれほど大きなシコリはないと思う」とした。
そのうえで、「これはビジネスの世界ということもあるので、そういう点では、田中将大投手が楽天のユニフォームを脱ぐのは個人的には寂しい気がするが、来季復活するという方がより大きなポイントになる。それを期待して、今回の電撃退団をとらえていきたい」と前向きにとらえた。
今シーズン田中は、23年10月に受けた「右肘関節鏡視下クリーニング術」の影響で出遅れ、2軍生活を余儀なくされた。1軍での登板は9月28日のオリックス戦1試合のみで、5回を投げ6安打4失点だった。