「営業職は専門性を養えない」は本当か 転職の専門家が解説...営業で培うスキルはこれだけ役立つ(2)

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「営業の仕事にはやりがいを感じているが、先々のキャリアを考えると不安がある」
「営業を続けていても、専門スキルが身に付かないのではないか」
「営業職が転職を考えた場合、どんな選択肢があるんだろうか」

   20~30代の営業職のそんな「リアルな悩み」に対し、いざ転職を考えた場合、どのような準備が必要か。リクルートエージェントでキャリアアドバイザーをつとめる、矢藤良介が解説していきましょう。

  • 「営業職は専門性を養えない」は本当か
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「他者と比較する」ことをやめてみよう

   <「営業職は専門性を養えない」は本当か 転職の専門家が解説...営業で培うスキルはこれだけ役立つ(1)>では、営業職からの転職には可能性が広がることをお伝えしました。

   ただし、大事なことがあります。営業経験を通じて身に付けたスキルを、どのように活かして、今後どのようなキャリアを展開していくのか考えることです。

   そのためには、自身の「ポータブルスキル」を分析してみることが大切です。以下のポータブルスキル一覧を参考に、仕事のし方と人との関わり方の面から自分の「強み」を抽出してください。

出所:厚生労働省「ポータブルスキル」活用研修 講義者用テキスト
出所:厚生労働省「ポータブルスキル」活用研修 講義者用テキスト

   「自分の強みが分からない」という方は、まず「他者と比較する」ことをやめてみましょう。

   自分が他者より勝っているポイントではなく、「自分にとって、苦手ではないこと」「周囲の人から褒められたこと」などに目を向けてみると、強みを認識しやすくなります。

   採用面接においても、面接担当者から「あなたは周囲の人からどんな人だと言われていますか」と問われるケースは結構あります。「第三者から客観的に見た自分はどうなのか」を意識しておくことが大切です。

具体的なエピソードを語れるように

   営業経験者との面談で、キャリアアドバイザーが一緒にその人の強みを考えると、よく次の強みが導き出されます。

●目標達成意欲が高く、行動力がある
●社外ステークホルダーとの関係構築力
●巻き込み力(周囲の人に働きかけ、協力を得る力)

   これらはいずれも転職市場において企業から評価されるスキルです。

   採用面接に臨む際には、これらの力をどのような場面でどのように発揮したのか、具体的なエピソードを語れるようにしておくことをお勧めします。

   仕事のエピソードを整理するにあたっては、成果を挙げた経験のほか、「これまでで一番モチベーションが高くなった瞬間・仕事」を振り返ってみるといいでしょう。

   面接では、「仕事でワクワクしたのはどんなときですか」「熱量高く頑張ったことは何ですか」など、その人のモチベーションの源泉を確認しようとする質問もよく投げかけられます。

   自分がどんなときに頑張れるのか、それもあなたの強みであり、今後のキャリアを描くうえで重要なポイントと言えるでしょう。

将来ありたい姿に向けて自身のスキルを整理

   転職活動をするとなれば、営業としての経験・スキルを棚卸しする必要もあります。以下の項目について、自身が経験してきた営業の特性を整理しておくといいでしょう。異業種でも活かせるポイントが見えてくるはずです。

●無形商材/有形商材
●対象顧客層(法人であれば企業規模・業種・部門など、個人であれば年代など)
●新規開拓/既存顧客フォロー
●商品の金額
●期間
●資料・企画書作成の有無

   このように、自身の内省を深め、テクニカルスキルとポータブルスキルを把握しておくと、次の選択を判断しやすくなります。

   1人で内省をするのが難しい場合は、親しい友人・同僚や家族など身近な第三者と一緒に進めると効果的です。もちろん、キャリアアドバイザーと一緒に棚卸をすることもできます。

   40代・50代と年齢を重ねたとき、どうなっていたいのかを想像し、その実現のために今身に付けるべきスキルやとるべき選択を考えましょう。



【プロフィール】
キャリアアドバイザー 矢藤 良介
地方公務員(市役所)を経て2021年にリクルートに入社。以来キャリアアドバイザーとして様々な業界・職種の求職者の転職を支援。

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