ポータブルスキルは多様な分野や職種で活かせる
そんなAさんが選考でアピールし、企業から評価されたのは次のポイントです。
●数値分析によって課題を捉え、解決へ導く「定量思考」を実行できること
●PDCAサイクル(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Action:改善)を高速で回すことで行動改善を図り、安定的に業績達成できていること
書類応募の段階で、企画職も通過しました。営業職で培った「定量思考」「PDCAを回す力」は、企画職としても期待できると評価されたのです。
「営業職は専門性を養えない」ととらえる方は多いかもしれませんが、営業だからこそ身に着くポータブルスキル(業界・職種問わず持ち運びできるスキル)は、多様な分野や職種で活かせる可能性があります。
営業職からの「異職種」への転職としては、企画系職種のほか、マーケティングに近いポジションとしてWebディレクションなどの選択肢もあり得ます。
また、人材採用に力を入れる企業では、求職者とコミュニケーションをとって考えやニーズを引き出す力や自社の魅力をプレゼンする力に期待し、営業経験者を採用担当者として迎えるケースもあります。採用からスタートし、人事としてのキャリア構築を目指す方もいます。
この続きは<「営業職は専門性を養えない」は本当か 転職の専門家が解説...営業で培うスキルはこれだけ役立つ(2)>で解説していきます。
【プロフィール】
キャリアアドバイザー 矢藤 良介
地方公務員(市役所)を経て2021年にリクルートに入社。以来キャリアアドバイザーとして様々な業界・職種の求職者の転職を支援。