稲村氏「自らの実像が伝わらないリスクを感じた」
SNS上で、斎藤氏を追及したメディアや議会へのバッシングが過熱したことについては、斎藤氏も自らもネットでレッテル張りされ、自らは、中道左派と思っているのに極左だと叩かれたという。稲村氏が斎藤氏のマネジメントを問題視すると、「何で悪口を言うのか」「批判ばっかり」と言われ、反論すると「斎藤さんはやられてきたんじゃないの?」と返されたとした。ネットでは、極端から極端に振れる印象があり、斎藤氏に何か申すのはいけないというのは、健全ではないと訴えた。
一部識者などから、民意がまずい方向に行っており、有権者が誤った判断を下したと指摘されたことを聞かれると、稲村氏は、ナチスドイツも民主主義から出てきたことを想起しているのではないかとの見方を示したが、今回は、そういうこととはまったく別の話だと述べた。SNSの影響力には課題があるものの、組織だけではなく自ら判断し、投票率が上がったのはすごく重要であり、「今回の選挙の結果は間違っていたとは、到底言うつもりはありません」と話した。ただ、「リスクを感じなかったと言えば、ウソになります」とし、それは、自らの実像が十分に伝わらなかったり、変えた方がいいと言っていたのと反対の立場にされたりしたことを挙げた。
稲村氏は、生活の苦しさや大きな不満から、仮想敵を作ってストーリーが作られるポピュリズムが来るとして、制度の見直しやリテラシーの向上などを通じ、民主主義が健全に機能するためにリスクと向き合い続けるべきだと指摘した。そして、文書問題については、斎藤氏を一方的にバッシングしたと感じさせたのは問題で、斎藤氏も受け止めるべきところは受け止める必要があると指摘した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)