「リスキリング」取り組む企業たった8.9% 経営陣自ら勉強し始めないとダメな2つの理由

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「勉強しなさい」と言われても子どもがやらないのと同じ?

――従業員のモチベーション維持が難しいという点が、興味深いです。ミドル、シニアになって再び勉強するのは大変です。どういう工夫をすると成功するのでしょうか。

旭海太郎さん 目的と目標の設定が肝要です。つまりは、このスキルを学ぶのは何のためで、そのために何が必要か、ということをリーダーが示す必要があります。「勉強、宿題しなさい」と言われても子どもが前向きにはやらない、家庭の風景と同じです。

また、リスキリングは事業戦略のためですが、個人のキャリアを形成するためにも重要だという部分も明確に伝えていく必要があります。結局は、会社=出世などによる給料アップ、個人=給料アップだけではないキャリアの拡大、など自分にリターンがないと内発的動機には至らないので、ここをいかに訴求するかというリーダーの手腕が問われます。

――リーダーの手腕といえば、経営層が自ら率先して勉強し始めた例がリポートに出てきますね。やはり、リーダーがグイグイ押していく突破力が重要なのでしょか。

旭海太郎さん 経営陣が率先して取り組むのには、大別して2つの理由があります。

1つ目は、自ら率先垂範しないと、説得力がないから。仕組みを作りお金を出しても、従業員が追随しようと思えるようにすることが大事です。

2つ目は、自分自身が体感してから伝えないと、なぜそれに意味があるのかわからないまま従業員に下ろしてしまうことになるからです。この作業を怠ると、リーダー層と従業員の分離が広がります。
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