「冬のボーナス」民間企業の平均支給額40万円台は高い?低い? 「企業は頑張った」が...喜べない事情も

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そう喜べないのは結局、人手不足が解消しないから

――今冬のボーナスのことで、特に強調しておきたいことがありますか。

今井大輔さん 冬のボーナス支給額が上昇する背景には、今年の春闘の賃上げ率が高かったことと、企業業績が好調だったことの2点があげられますが、私たちは、賃上げ率の高さのほうがより大きな要因と考えています。

人手不足の進行があまりに深刻なため、高い賃金を支払わないと労働者を集められない現実があります。我々は日本経済の本質的な課題は、デフレから人手不足へと変化しつつあると考えています。

たとえば、建設業の人手不足が建設投資の重石になっているほか、すでに観光地でオーバーツーリズムの問題も指摘されているところですが、宿泊業などの人手不足でインバウンド需要を十分に取り込めないなど、供給制約が需要の顕在化を妨げている状況です。

――つまり、冬のボーナスがいいからと言って、ウハウハ喜んでばかりはいられないということですか。

今井大輔さん そのとおりです。人手不足が供給の天井となっています。それもかなり低い天井です。経済の成長力を高めるためには労働生産性の上昇などを通じて人手不足によるボトルネックを回避することが重要です。

労働生産性の上昇は来年以降の持続的な賃金上昇にもつながります。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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