師走の足音が聞こえてくると、冬のボーナスが気になるものだ。いったいどのくらい出るのだろうか。
主要経済シンクタンクの「2024年冬のボーナス予想」が出そろった。民間企業の一人当たりの支給額は約40万円台になりそうだ。
これは喜んでいい額なのか、それともガッカリな額なのか?
去年冬は予想より低かった。今冬はその反動で大きく伸びそう
日本総研の「2024年冬季賞与の見通し」(11月11日付)では、民間企業の一人当たり支給額は前年比2.5%増の40万6000円と予想した。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング「2024年冬のボーナス見通し」(11月8日付)でも、前年比2.5%増の40万5573円と予想。
一方、第一生命経済研究所の「2024・年冬のボーナス予測」(11月8日付)では、金額は示さなかったが、前年比2.7%増と予想した。
こうしたなか、最も多い額を予測したのが、みずほリサーチ&テクノロジーズ「2024年冬季ボーナス予測」(11月8日付)だ。前年比3.5%増の40万9399円という試算をはじきだした【図表】。
なぜ、ほかより高い予測を出したのか。J‐CASTニュースBiz編集部は、みずほリサーチ&テクノロジーズ調査部エコノミストの今井大輔さんに話を聞いた。
――ほかのシンクタンクは前年比2.5%増~2.7%増の伸び率ですが、3.5%増というかなり高い数字。どういう試算に基づいて出したのでしょうか。
今井大輔さん 今年は記録的な物価高と人手不足を背景に春闘が好調でした。賃上げ率は前年比5.3%増(厚生労働省ベース、民間主要企業)と、1991年以降の最高水準になりました。そこで、ボーナス算定の基準となる所定内給与の増加率を2.5%増と試算。また、支給月数も1.12か月と小幅ながら0.9%増と見込んでいます。
所定内給与に支給月数を掛けて、3.5%増の40万9399円という数字を出しました。総合的な判断として強気の数字を出した背景には、昨年冬のボーナスが予想よりかなり低かったこともあげられます。昨年も春闘の賃上げ率がよかったのに結果的に前年比0.7%増に終わりました。
今年の冬はその反動もあり、かなり伸びるだろうと期待しています。