兵庫県知事選(2024年11月17日投開票)で、県議会の不信任を受けた斎藤元彦前知事が当選を果たした。パワハラ問題をめぐり厳しいスタートだった斎藤氏だが、SNSでの発信などが実を結んだとされる。
インターネットでは、対抗候補として注目を集めた前尼崎市長の稲村和美氏の敗戦の理由について、稲村氏への支持を表明した相生市の谷口芳紀市長の「机バンバン動画」が取り沙汰されている。
「悪い奴を兵庫県から追い出して......」批判&激励で複数回バンバン
今回の選挙戦では、斎藤氏がパワハラ問題で県議会・百条委員会の証人尋問に呼ばれるまでの経緯をめぐって、ネット上で様々な情報が飛び交った。真偽不明のものも多かったが、それらの情報を元に、各候補の支持者からは激しい非難の応酬が繰り広げられた。
知事選で本命とされていたのが、前尼崎市長の稲村氏だ。14日には、県内29市のうち22市の市長が稲村氏を支持すると表明し、有志による会見を開いた。選挙期間中に複数の市長らが特定の候補者支持を明らかにするのは珍しい。
こうした中、インターネット上で「稲村氏の足を引っ張った」と批判を受けているのが相生市長の谷口氏だ。会見の際、身振り手振りを交え激しい口調で斎藤氏を批判し、稲村氏を激励した姿に「パワハラしぐさ」との声が相次いだためだ。
谷口氏は、「悪い奴(斉藤氏)を兵庫県から追い出して、新しい風を入れる人は誰や、言うたら、稲村や!」と机を叩いた。その上で、斎藤氏について「私は少なくとも県知事として資格がないんじゃないかと、こう思って......」と語ると、いきなり机を激しく叩き「おりますわ!」と激昂。再度「何が悪い!」と机を叩いた。
後ろに座っていた女性がビクッと肩を震わせていたほか、横に座る男性も驚いた表情を浮かべていたが、映像を見る限り、谷口氏に特段気にする様子はなかった。
「味方の足を引っ張っていた市長いなかった?」
斎藤氏のパワハラ疑惑をめぐっては、職員への叱責で「机を叩いた」ことが問題の一つとして取り上げられていた。こうした中、斎藤氏を批判しながら机を強く叩いた谷口氏のふるまいについて、批判とあきれの声が寄せられた。
Xでは、「会見で机を力任せにたたいた相生市長の方が、パワハラやってね? 相生市職員さん?」「22人の中の相生市長の罵声に机ドンドン、パワハラも争点になってるのにあれは、逆効果!」などとする投稿が相次ぎ、「相生市長パワハラ」「机バンバン市長」「机バンバン動画」などのワードが注目を集めている。
タレントのフィフィさんも、「パワハラ疑惑の斎藤候補は知事になる資格がない! って、机バンバン!! して味方の足を引っ張っていた市長いなかった?」と苦言を呈している。
同じく兵庫県知事選に出馬していた「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首も「この相生市長 おもいっきり記者に対して机叩いてパワハラしてる」と批判していた。