石破茂首相が2024年11月11日の首相指名選挙中に「居眠り」しているようだった、とインターネット上で注目が集まっている。今回に限らず国会での議員の寝姿はたびたび取り沙汰されており、根本的な問題として空気環境が悪いのではとの指摘すら出ている。
室内の二酸化炭素(CO2)の濃度が高く、眠気を引き起こしているのではないか、という指摘だ。実際はどうなのか。衆参両院に、本会議場の空気環境を取材した。
居眠りの原因はCO2なのか
11日には衆院本会議で首相指名選挙が行われ、石破首相が目を閉じてうつむいている様子が中継映像に捉えられた。林芳正官房長官は新内閣発足後記者会見で、「風邪気味で、風邪薬を服用されていた」と説明している。
ただ、SNS上では居眠りだと話題に。これまでにも国会で居眠りするような議員が散見されてきたとして、そもそも換気や空調設備が不十分でCO2の室内濃度が高まって、眠くなるのではないかという仮説も広がった。
CO2濃度が高くなると頭痛や倦怠感といった影響を人体に及ぼしうるほか、換気の悪い室内で眠気に襲われる話はよくある。実際、東北大学は研究成果として24年夏、CO2が日中の眠気を誘発するとの科学的根拠を発表している。
では、衆参両院は、それぞれ本会議場で二酸化炭素の室内濃度を抑えるためにどのような取り組みをしているのか。
「1時間に8.3回の空気が入れ替わる換気量」
衆院事務局は15日、J-CASTニュースの取材に、本会議が開かれている際の換気方法について、「議場用空気調和機により換気しています」と明かした。
本会議場のCO2の室内濃度は、「CO2センサーにより常時計測しています」。具体的には、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律の基準に基づいて、二酸化炭素濃度は1000ppm以下になるように空調管理を行っています」と説明する。
CO2の室内濃度管理が不十分で眠りを誘発しているのではないか、といった意見の受け止めは、「先に申し上げたとおり、関係法規に基づいて適切に空調運転を行っている」とした。
参院事務局にも同様の質問をしたところ、下記のような返答があった。
「参議院本会議場については、中央方式による空気調和設備により、1時間に8.3回の空気が入れ替わる換気量を確保しております。本会議場において二酸化炭素濃度の測定は行っておりませんが、十分な換気がなされており、お尋ねのような室内環境に対しては、問題無いと考えております」