NHKの働き方改革、番組制作と報道でそれぞれの悩み
――ところで、公共放送のNHKはメディアの代表として、また経済産業省は経済界をリードする立場として、働き方改革を奨励していく立場ですが、それぞれどのように残業削減の努力・工夫をしているのでしょうか。
担当者 NHKに投稿されたクチコミからは、部署・職種によって働き方や働きやすさには違いがあることがうかがえました。一方、日本全体の傾向と同様に、働き方の改善に対する意識は向上していることが見てとれました。
NHK「ここ10年くらいで労働時間に対する意識が大きく変わってきた。ただし職種による意識の差はいまだに大きい。番組制作を担当するディレクターのセクションは、仕事のやりがいと長時間労働との板挟みに悩む職員が多い印象」(報道、男性)
NHK「法改正もあり、この5年ほどで大幅に改善されている。とはいえ、災害等が起きれば、ワーク・ライフ・バランスとも言っていられないので、普通の業界と比べると、プライベートは削られるかもしれない」(報道、男性)
NHK「最近ではかなり働き方改革が進み、無駄な残業はさせないような雰囲気ができている。育児や介護にも配慮してくれる空気があるので、仕事が繁忙期でなければ、ワーク・ライフ・バランスはとりやすい会社だと感じた」(ディレクター、男性)
経済産業省でもリモートワークをかなり進めていますが、民間と同様、ポジティブな面とネガティブな面が共存しているように見受けられます。
経済産業省「部署や上司にもよるかもしれませんが、柔軟にテレワークをすることができるため、プライベートとの両立はかなりしやすいと感じています。午前中のみのテレワークや帰宅後のテレワークも可能なので、子育てとの両立もしやすいです。今後より両立しやすい環境になっていくと思われます」(総合職、女性)
経済産業省「テレワーク環境がかなり整っているので、どこでも仕事ができてしまう分、プライベートとの区別がついていない人もチラホラ」(事務、男性、経済産業省)
――今回の調査で特に強調したいことはありますか。
担当者 ランクイン企業に寄せられたクチコミからは、働き方改革やリモートワークの定着が、残業時間の削減に一定の影響を与えたことがうかがえました。しかし、自宅で働くことで仕事とプライベートの境界が曖昧になる現状や課題も見てとることができました。
手前味噌ではありますが、働く人のリアルな声や本音が集まるクチコミは組織改善のヒントになり得るのではないかと感じました。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)