スマホ金値下げ競争、3つの領域で展開へ 安く利用するコツは?データ容量ムダにしている人多い

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   スマホユーザーにとって関心が高い携帯料金。みんないくら払っているのだろうか。

   モバイル専門の市場調査を行うMMD研究所(運営元はMMDLabo、東京都港区)が2024年11月7日に発表した「2024年9月通信サービス料金と容量に関する調査」によると、大手4キャリアの平均通信料金(通信・通話・端末込み)で月額8636円だという。

   今、再び携帯料金値下げ競争が勃発しているという。もっと安い料金で利用する方法はないか。調査担当者に聞いた。

  • スマホ料金は安いほうがいい
    スマホ料金は安いほうがいい
  • (図表1)通信会社に支払っている月間料金の推移(MMD研究所の作成)
    (図表1)通信会社に支払っている月間料金の推移(MMD研究所の作成)
  • (図表2)通信会社に支払っている月間料金の幅(MMD研究所の作成)
    (図表2)通信会社に支払っている月間料金の幅(MMD研究所の作成)
  • (図表3)スマホの月間の容量プラン(MMD研究所の作成)
    (図表3)スマホの月間の容量プラン(MMD研究所の作成)
  • (図表4)直近に利用した月間のデータ容量(MMD研究所の作成)
    (図表4)直近に利用した月間のデータ容量(MMD研究所の作成)
  • スマホ料金は安いほうがいい
  • (図表1)通信会社に支払っている月間料金の推移(MMD研究所の作成)
  • (図表2)通信会社に支払っている月間料金の幅(MMD研究所の作成)
  • (図表3)スマホの月間の容量プラン(MMD研究所の作成)
  • (図表4)直近に利用した月間のデータ容量(MMD研究所の作成)

格安スマホは、月額1000円~2000円未満に集中

   MMD研究所の調査(2024年9月13~24日)は18歳~69歳の男女4万人が対象。大手4キャリア(docomo、au、SoftBank、Rakuten最強プラン)とRakuten最強プランを除く大手3キャリア、オンライン専用プラン(ahamo、povo、LINEMO)、キャリアサブブランド(Y!mobile、UQmobile)、そしていわゆる格安スマホ(MVNO)の月額携帯料金と容量を聞いた。

   まず、スマホの月額料金(通信+通話+端末)を通信サービス別に聞くと、大手4キャリアの平均は8636円、大手3キャリアは9397円、オンライン専用プランは6192円、キャリアサブブランドは5299円、格安スマホは4106円となった。

   昨年(2023年)9月に比べると、ほかはみな101円~308円安くなっているのに、キャリアサブブランドだけが236円高くなっている【図表1】

   さらに、通信サービスごとの月額料金の幅を聞いたのが【図表2】だ。これを見ると、格安スマホが「1000円未満」と「1000円~2000円未満」に集中しているのに対し、ほかの通信サービスでは「2000円~3000円未満」が最も多い。

   契約している月間のデータ容量プランを聞くと、オンライン専用プランが「中容量(8GB~30GB)」がずば抜けて多いのに対し、ほかは「小容量(7GB以下)」が最も多い。ただし、大手4キャリアと大手3キャリアは「大容量(31GB~無制限)」も割合が高いのが特徴だ。一方、格安スマホは7割が「小容量(7GB以下)」だ【図表3】。

   ところで、直近で利用している月間のデータ容量を聞くと、契約したデータ容量をあまり使わず、ムダにしている人が多いことが目立つ。たとえば、大手4キャリアでは「小容量」が5割以上だ。「大容量」を契約した人が4割近くいるのに使った人は1割以下だ【図表4】。

   一方、格安スマホは「小容量」が約7割。契約データ容量とほぼ同じで、効率よく使っていることがわかる。

なぜキャリアサブブランド料金だけが、高くなっている?

   今回の結果をどう見たらよいのか。J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なったMMD研究所の担当者に話を聞いた。

――2023年9月調査に比べ、ほかの料金は軒並み安くなっているのに、なぜキャリアサブブランドだけが月額236円も増えているのでしょうか。

担当者 2023年10月、Y!mobileがデータ容量を増量した「シンプル2」シリーズの提供を開始するなど各プランのGBを増やし、その分料金を値上げしました。その影響で、今回サブブランドだけ月額料金が増加したと思われます。

――月額料金の幅を見ると、格安スマホは「1000円~2000円未満」に集中、オンライン専用とキャリアサブブランドも「1000円~4000円未満」に集中しています。ところが、大手4キャリアは一番安い「1000円」から一番高い「1万円」まで、まんべんなく拡散しています。これは、どういうことですか。「料金なんて関係ない」といったところなのでしょうか。

担当者 大手4キャリアは幅広いユーザー層がいるため、プランも幅広いものとなっています。高齢者はあまり容量を使わないため料金が安くなっている一方、若年層は容量を多く消費する人が多いため料金も比較的高く出ています。その点からも、大手4キャリアはまんべんなく分布していると思われます。

契約データ容量を使い切らない人が多い理由

――契約しているデータ容量プランの違いも興味深いです。7GB以下の小容量が、格安スマホとキャリアサブブランドに非常に多く、大手4キャリアと3キャリアにも比較的多いです。
ところが、オンライン専用だけ突出して少なく、中容量(8GB~30GB)がずば抜けて多い理由は何でしょうか。それぞれのユーザー層にスマホ利用方法の違いがあるのでしょうか。

担当者 オンライン専用プランが中容量(8GB~30GB)に多い理由は、ahamoの存在が大きいです。ahamoが2021年の登場した時は最小のプランが20GB以上(現在は30GB)のものしかなく、結果的に中容量のプランを契約している人が多くなります。

――なるほど。ところで、直近のデータ利用容量と、契約時のデータ容量を比較すると、格安スマホ以外は契約データを使い切っていな人が多いです。特に大手4キャリアでは甚だしい。無駄に高い料金を支払っているのではないでしょうか。

担当者 先に述べたように大手4キャリアは幅広い年齢層のユーザーがいます。その中にはリテラシーがあまり高くなく、自分に合ったプランと契約しているプランがマッチしていない人も多いかと思われます。

しかし大手4キャリアそれぞれに料金シミュレーションがありますから、定期的に料金の見直しをお勧めいたします。

ahamoが火をつけた増量とポイ活

――料金プランをめぐっては、ahamoも今年(2024年)10月から月額2970円に据え置いたまま、データ量を20GBから30GBに増量するなど、低料金競争が再び激化しています。スマホ料金競争は今後どうなりますか。

担当者 ahamoが月額料金は変わらないまま30GBにギガを増やしたことで、povo、LINEMOも料金を見直しました。格安スマホがそれに対抗してどんな動きに出るのかが楽しみです

今後の料金戦略としては3つの競争領域になってくるかと思います。1つ目は5GB以下の低料金・低容量帯です。2つ目は20~30GBのコスパを重視した中容量帯です。3つ目は使い放題からポイ活プランに当たる比較的月額料金が高い大容量帯です。今後、料金に変化や容量のシェアが起こってくると思われます。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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