学習塾の倒産、過去最多 優秀講師の引き抜き、オンライン授業、業界再編激化...子どもをどこで学ばせたら?

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関東の老舗「茗渓塾」「茗渓予備校」運営会社も倒産

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめた帝国データバンク情報統括部の橋本伊織さんに話を聞いた。

――学習塾の倒産が加速する理由で、ズバリ何が一番大きいのでしょうか。少子化で生徒数が減少していると指摘していますが、一方では新規参入が多いというデータもあります。

市場規模が縮小しているのに、大手を含めて競争が激化しているのは、それだけ学習塾には儲かる理由があるのでしょうか。

橋本伊織さん 一番は少子化の影響です。高所得層では、子ども1人当たりへの教育投資を拡大する傾向がありますが、最近の傾向として、その他多くの家庭では物価高による生活コスト上昇から、教育費を抑制する動きもあります。

そんななかで少なくなった生徒の獲得競争となった場合、データやノウハウ、実績が豊富な大手に軍配が上がる傾向にあります。

たしかに比較的参入のハードルが低い業種のため、新規参入が多い可能性はあります。しかし、同様に大手も新規参入しますから、大手との競争で見込み通りに生徒を集められないと、開業費用が重荷となって倒産するケースもあります。

――なるほど。甘くはないわけですね。福岡の個別指導塾スタンダード以外の倒産ではどんなケースがありますか。

橋本伊織さん 今年の負債額2番目では教育春秋社(東京都渋谷区)の約10億円が続きます。1971年設立で、小中高校生向けの「茗渓塾」や大学受験生向けの「茗渓予備校」の屋号で学習塾・予備校を運営するほか、医学部専門予備校も運営、関東に約20校展開していました。

しかし、同業者との競合激化で生徒数が減少し、赤字に転落。多額の租税公課滞納も発生し、弁済に向けた交渉を行っていましたが、折り合いがつかずスポンサー探しに移行。今年春に同業者に事業を譲渡したうえで倒産となりました。

九州地方の中小事業者の事例では、同業者との競争に加え、希望校への合格者が減ったこともあって生徒数が減少。採算が悪化し、倒産しています。
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