若い世代でも、シニアより対策をしていない項目も
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめたモバイル社会研究所の水野一成さん(シニア・防災・子ども調査担当)に話を聞いた。
――対策を何もしていない人が80代で4割という結果。6割は何か対策をやっているわけですが、意外とよくやっているとみるか、あるいは非常に危険なレベルとみるか、どう考えますか。私自身、70代シニアなので心配です。
水野一成さん 4割については、2つに分けて考える必要があります。
まず、スマホを所有しながら、あまり利用していない人です。多くのスマホでは初期設定で画面ロックの設定を行います。そのため、画面ロックを設定していながらも、それとわからずに今回の調査では〇を付けなかった人もいると推察されます。
もう一方で、スマホをある程度使いながら、何も設定をしていないグループです。いずれも、何もしていないのは良い状態とは言えません。
――若い世代のセキュリティー対策と比較すると、やはり全体的にかなり低いですか。
水野一成さん 若年層(10~30代)との比較調査を昨年(2023年)1月に発表しています。特に若年層に比べて低いのは「画面ロックを利用している」「最新のOSにアップデートする」「スマホ以外で利用しているパスワード・パターン等と異なるものを利用する」でした。
しかし、若年層でも、「提供元不明アプリはダウンロードしない」「無料&有料セキュリティーアプリを利用する」「個人情報や履歴を保存せず、小まめに消す」といった項目では、むしろシニア層より低いか、同じ程度の結果でした。若年層だからといって対策が万全というわけではありません。