スマホのセキュリティー対策をしっかり行っていないシニアが多いことが、NTTドコモのモバイル社会研究所(東京都千代田区)が2024年11月5日に発表した調査「ご自身のスマホセキュリティ対策、70~80代の6割が十分でない」でわかった。
自信がない70代記者が心配になり、調査担当者に対策のコツを聞くと――。
セキュリティーの基本、画面ロックする80代は3割以下
モバイル社会研究所の調査(2024年1月)は、シニア世代の60歳~84歳の男女1130人が対象。
まず、自分のスマホでどのようなセキュリティー対策を行っているかを聞くと、「何もしていない」人が60代では1割台だが、70代で3割台、80代では4割台に達し、いずれも女性のほうが多かった【図表1】。
行っている対策を細かく聞いたのが【図表2】だ。
比較的多い画面ロック(パスワード、指紋認証など)は、60代では約7割が行っているが80代では3割以下で、年代による差が大きい。特に「最新のOSにアップデートする」は80代では5%しかいなかった。
こんな状態で不安にならないのだろうか。今の対策は十分できていると思うか聞くと、70~80代の6割近くが「十分でないと実感している」と答えた【図表3】。
なぜ十分な対策ができないのか。半数のシニアが「何をどこまですれば十分なのかよくわからない」と回答。また、「定期的なパスワード変更など面倒な対策はしていない」「対策方法がわからない」などが上位に並んだ【図表4】。
スマホ操作に疎いことに加え、面倒なことを嫌う億劫さがシニアのセキュリティー対策を不十分にしているようだ。