「110番」だから警察署の電話と信じてはダメ
続いて目立つのが、末尾が「0110」の国際電話だ。「0110」(110番)は警察署の多くが実際に使っている番号なので、紛らわしい。昨年(2023年)よりも35倍増えた【図表2】。
「近年、詐欺電話の関する報道が増えているため、見覚えのない電話番号には出ない人が多いです。そこで詐欺グループは、悪知恵を絞っています。『110番』を使うこともその1つで、警戒心が強い人でもつい安心してしまいがちです。
実在の警察署の番号が使われた例もあります。もちろん電話に出ると、相手は警察官を名乗り、『あなたのキャッシュカードが不正に使われています』などと詐欺に引き込みます」(担当者)
総務省になりすます詐欺も今年(2024年)8月から急増している。先頭の国番号を除いた番号以外は実在する総務省の代表電話と一致するので、やっかいだ【図表3】。
「警戒心の強い人は、電話に出る前に、番号を検索して調べることが多いです。すると、総務省の電話と同じであるため電話に出ると、詐欺師は総務省電波監理審議会サイバー対策室とか総務省住民制度課などと名乗り、詐欺に引き込んでいくのです」(担当者)
こうした手の込んだ詐欺の被害に遭わないようにするにはどうしたらよいのか。担当者はこうアドバイスする。
「電話番号の頭に『+〇〇』とあれば、国際電話です。ふだん、外国と縁のない生活をしているなら、絶対に電話に出てはいけないし、折り返してもいけません。外国に家族がいたり、商取引をしたりしている人は番号を登録しているはずですから、登録番号以外は出ないようにしましょう」(担当者)