「訪問介護」が過去最多の倒産、「介護難民」発生の危機 最期まで自宅で過ごしたい高齢者の頼みの綱に何が?

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一生懸命勉強して資格を取っても、最低賃金並みの給与

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめた東京商工リサーチ情報部の担当者に話を聞いた。

――訪問介護の倒産の過去最多になった背景は、ズバリ何が一番大きいと思いますか? 今年4月の基本報酬のマイナス改定でしょうか。

担当者 マイナス改定の影響が出始めたのは今年夏頃からで、マイナス改定が10月までの倒産増の主要因ではないと考えます。ただ、経営者の一部で、マイナス改定によって先行きが見通せなくなり、事業存続をあきらめるケースが出てきてもおかしくありません。

主な要因は、ヘルパー不足とヘルパーの高齢化、燃料高騰などの物価高、そして、コロナ禍の利用者減に伴う経営へのダメージが大きかったと思います。

――しかし、4月に始まったばかりのマイナス改定の影響がもう出ているとすれば、来年以降はもっとひどい状態が予想されますね。

担当者 マイナス改定は、これから影響が本格化すると思います。報酬を増やすために「生活援助」から、より報酬が高い「身体介護」への切り替えを進める事業所が増えることも予想されます。

――そうなると、さまざまな援助を必要としている高齢者が困りますよね。
ところで、私の知人の介護士が、「一生懸命勉強して資格をとって介護の仕事をしているのに、最低賃金並みの給与。若い人がバカバカしくなってどんどん辞めている」と嘆いています。

担当者 他産業では賃上げが積極的に行われ、介護関連職員との賃金格差が広がっています。介護業界も処遇改善などの賃上げを進めていますが、人手不足が続く事業所の採用は簡単でないと思います。
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