「軽井沢を語るな!」町長が声明
軽井沢町のほうでは、この有名ブランドを周辺の企業や人が「利用」するのが気に食わない。2021年には町長が記者会見をして軽井沢名称の適切使用を求める声明を出した。町以外の事業者が「軽井沢」の名称を会社名、商品名に使うことを控えるよう企業倫理に訴えた。町の調べで、長野・群馬など近隣6市町村で軽井沢の名称を事業者が少なくとも59社あったと発表している。
御代田町は浅間山のふもとで軽井沢に隣接する避暑地であり、かつて「西軽井沢」と言っていた。町の北には浅間山が大きくそびえ、映画の随所に映っている。ミネベア、シチズンの工場があり、人口は軽井沢よりちょっと少ない。軽井沢へのライバル心がある。
本木監督は、映画の随所に盛り込まれた軽井沢に対する御代田町民の微妙な気持ちが出てくるのがどう受け取られるかを気にしていた。先年、"自虐映画"としてヒットした「翔んで埼玉」の長野版、「翔んで御代田」のような面がある。しかし、それは杞憂だった。
映画公開に先立ち、エキストラなど協力してもらった町の人たちを招いた試写会を開いた。町長、カーリング場の関係者らもその中にいた。その微妙な場面が出るたびに会場からは大きな笑い声が起きたからだ。