コース冠水、選手は泥水の中を疾走 なぜ高校駅伝は大雨警報でも決行されたのか

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   大阪高校駅伝の選手らが、コースが大雨で冠水して泥水の中を走ることになり、その様子を撮った動画がいくつか投稿されて、運営に批判も出ている。

   当日は、大雨警報が出ていたが、延期はされずに実施された。駅伝を運営する大阪高体連では、「大雨警報でも学校の行事などは行っていますが、今後は状況を見て判断するようにします」と取材に説明した。

  • 駅伝の選手らを心配する声が(写真はイメージ)
    駅伝の選手らを心配する声が(写真はイメージ)
  • 駅伝のコースが冠水(写真はイメージ)
    駅伝のコースが冠水(写真はイメージ)
  • 駅伝の選手らを心配する声が(写真はイメージ)
  • 駅伝のコースが冠水(写真はイメージ)

「この状態で走るのは危険」「中止の判断が遅すぎますね」

   雨が激しく打ち付ける中で、タスキをかけた選手らが膝ぐらいまで泥水に浸かりながら、飛び跳ねるように必死で走っている。

「頑張れ~、頑張れ~」「ファイト!」

   沿道からは、傘を差した人たちが並んで、選手らに大きな声援が送られた。

   水の抵抗で、選手が前のめりになり、ヒヤッとさせるシーンもあった。コースの一部は、一面の泥水で、まるで川の中を走っているかのようだった。

   駅伝は、2024年11日2日の土曜日、大阪市内のヤンマースタジアム長居を発着地点とする長居公園内の周回コースで、12時30分から男子の部が行われた。7区間でマラソンと同じ距離の42.195キロを走るコースだ。12月に行われる予定の全国高校駅伝の大阪予選を兼ねていた。

   大阪市内ではこの日朝から、大雨警報が発令されていた。

   午前中は、女子の部が予定通り行われたが、男子では、3区を走るころから雨脚が強くなった。動画のように、コースの一部は泥水の中を走る形になり、4区を走るぐらいの14時ごろに駅伝がいったん中止になった。

   その後、5日になって、4区から再開するトラックレース形式の代替競技会が別会場で行われ、関西創価高校が6年ぶり2回目の優勝を果たした。

   川のようなコースを走る選手らを撮った動画がXでいくつか投稿されており、様々な意見が寄せられている。

   「中止→後日途中から開催は賢明な判断だ」と理解する声もあったが、運営のあり方に疑問を投げかける厳しい意見も多い。

「この状態で走るのは危険」「中止の判断が遅すぎますね」「無理にやる必要があったのか」...

「大雨警報でも学校の行事などは行うが、今後は状況見て判断」

   長居公園を管理する大阪スポーツみどり財団の長居パークセンターによると、冠水していたのは、主に公園内にある南側のコースだった。

   西側の自由広場の南側付近から南東出入口付近を通り、北に向かって北東出入口付近に至るまでの約1.5キロに当たる。ほぼ周回コースの半分以上だ。

   冠水したときの最大の深さは、50~60センチ程度だった。

   なぜ冠水したのかについては、「短期間に多量の降雨があったためだと考えています」と説明した。

   北東出入口付近で、一部公共下水への流出量を抑制しているところがあり、この付近は、通常の降雨量でも冠水することがあるという。それ以外のところでも、通常の降雨量では冠水しないものの、「今回のように短期間に多量の降雨があると冠水する恐れはあります」とした。

   駅伝を運営した大阪高体連の陸上競技専門部では11月6日、J-CASTニュースの取材に対し、コースの一部が雨で冠水した状況について説明した。

「最初は、選手のくるぶしぐらいの深さでしたが、みるみるうちに膝辺りまで増水しました。排水が追い付かないことまでは認識しておらず、コースの南側の部分が雨水に浸かってしまいました」

   雨の中を走ったため、代替競技会ではメンバーを変えたいとした高校があったというが、選手がケガをしたり病気になったりしたという報告は聞いていないとした。

   大雨警報発令の中でも駅伝を実施したことについては、こう話した。

「暴風警報や洪水警報、大雨特別警報、雷注意報が発令したときは、中止や延期を考えますが、大雨警報では、学校の行事などは行いますので、駅伝も実施しています。今後の駅伝で、大雨警報が出るなどしたときはどうするかについては、冠水する見通しなど状況によって判断します」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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