現役医師YouTuber、民間療法に警鐘 「令和の虎」岩井良明さんの早すぎる死「悔やまれる」

   形成外科・美容外科医でYouTuberの「ドラゴン細井」こと細井龍さんが2024年10月27日に公開した動画で、民間療法に警鐘を鳴らした。

  • 現役医師YouTuberが民間療法に警鐘
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謳い文句は「免疫力」「自己治癒力」「活性化」

   細井さんは東京渋谷の美容クリニック「アマソラクリニック」の院長を務める現役医師で、2024年9月15日に死去した実業家の岩井良明さんが主宰するYouTubeのビジネスリアリティ番組「令和の虎CHANNEL」への出演で知られていた。

   「【注意喚起】がんを急速させるかもしれない民間医療の闇について医者が語ります。」と題した動画に細井さんは、「アマソラクリニック」に勤める医師の宮下宏紀さん、山本さとるさんとともに登場。その中で、8月にステージ4の肺がんであることを公表していた岩井さんが生前、民間療法に取り組んでいたことに言及した。

   その上で、民間療法について「免疫力」「自己治癒力」「活性化」などをキーワードとしているケースが多いとし、宮下さんは「目標値が曖昧なんだよね」「ぼんやりとしたキーワードで『良いんですよ、良いんですよ』ということを言っていて」と指摘した。

   続けて宮下さんは、民間療法が抗がん剤などを用いた西洋的な治療から見放された人たちを引き込んで「その世界でどんどんお金を引っ張っていく」「一部のすごいシンパシーを感じる人たちがワーッとそこに集まるので、とんでもないビジネスチャンスになる」と私見を述べた。

   山本さんは「彼らは自分の死期を宣告されているので、お金があってももうしょうがないんですよね。正直、本心では0.001%の生きる確率だと思っていても、でもそれに『もしかしたら...』という気持ちもある」「墓場にお金を持っていけないので、お金があったらやっちゃう」と民間療法にのめり込む人の心理を分析した。

「ちゃんと入院してデータを追っかけていれば」

   細井さんは、ステージ4のがんであれば余命が決まっている場合があるものの、「一番良くないと思うのがステージ1の人なんですよ。これ、乳がんでめちゃくちゃよくあるんですよね」「乳がんってステージ1だったら9割以上がほぼ寛解するのに」と話した。

   細井さんによれば、岩井さんは「標準治療をやる」と言いつつ、民間療法にも取り組んでいたという。9月15日に亡くなった岩井さんは、生前葬の開催を同月22日に予定していた。細井さんは、岩井さんの生前葬から死去までが一週間の差だったとし、「その時に、かなり腎不全が進行しちゃったみたいで。透析回さないでそこで倒れちゃってるんですよね」と述懐した。

   そして「1個臓器が倒れたら、そのまま多臓器不全になりがちですから。そこでちゃんと入院してデータを追っかけていれば、そうならなくて済んだかもしれないですよね」とし、「そこが本当に悔やまれるとこ」と嘆いていた。

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