「あとは冤罪で捕まらないように」ですがる気持ちに
木本さんが「『取り調べたい』って言われた時に、(思い当たるトラブルの)候補があったのか?」とすると、木下さんは「全くないんですけど、この前俺ら石川行ってるやん」と仕事でちょうど石川県を訪れていたことで疑心暗鬼になってしまったとした。
LINEのビデオ通話で、白い壁を背景に警察官の格好をした「ソガ」を名乗る男が取り調べを始めた。ソガは木下さんに周囲をカメラで撮影させ、誰もいないことを確認した上で「ハシモトダイスケ」という男を知っているかと尋ねた。心当たりがないとした木下さんに、ハシモトは多額の詐欺によって捕まった容疑者で、家宅捜索をしたところ複数の銀行のキャッシュカードが見つかり、その一つが木下さん名義のものだったと語った。
木下さん名義の口座には9000万円が入金されていたとして「500万は凍結しましたけど8500万が行方不明なんです。木下さん知っていますか?」。木下さんが否定すると、総勢250人が絡んだ事件だと明かされた。
木下さんはパニック状態に陥るも、ソガの態度から「なるほど、向こうも俺寄りなんだ」と自分を疑っているわけではないと感じたという。
その上で、「じゃあ、あとは冤罪で捕まらないようにだけ(しましょう)。今、容疑者とされてるので」とさらなる協力を求められ、木下さんは「助けてください、お願いします」と、すがるような気持ちになったという。