「フリーランス新法」は好きな仕事で生きる人々を救えるか? 収入が減っても幸福度は高い/マイナビ・元山春香さん

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取引先の数や、軌道に乗るまでの時間が収入に影響

――ただ、現役世代で正社員を辞めてフリーランスになる場合、精神面では幸福度が増しても収入面での不安が一番の悩みという結果が出ていますね。

その収入の面ですが、「ITエンジニア系」がずば抜けて収入増になる反面、私のような「編集・ライター・印刷系」がガックリ減るのはどういう理由からでしょうか。

元山春香さん 収入の増減には、働き方や前職の経験・職種の稼ぎやすさなど複数の要因が考えられます。生のコメントは聴取していないため就業実態の回答データからの推察になりますが、ITエンジニア・開発系は年間取引数が平均2.9社で他職種と比べて少なく、年間収入が高めなことから1社あたりの報酬が高いことが想定されます。

また、前職でも同じ業務を行っていた人が6割を占めるからか、独立後、早くに軌道に乗った人が多いのが特徴です。実際、1年以内に軌道にのった人が6割近くいます。また、システム開発など専門的知識が必要な職種のため、報酬が高くなりやすいことも収入アップに影響していると考えられます。

一方で、編集・ライター・印刷系の職種は年間取引数が8.5社と多めですが、年間収入はITエンジニア系より低いことから1社あたりの報酬が少ないことが推察されます。

また、フリーランスとして軌道にのることに時間がかかる人が多いようです。実際、まだ軌道に載っていない、安定していない人が25%以上いることも、平均収入を下げる一因と考えられます。
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