2024年の今オフの去就で注目されている一番の大物と言ってよいだろう。中日のライデル・マルティネスをめぐり、複数球団による争奪戦が予想されている。
ソフトバンク、DeNAは興味か 中日・井上新監督は全力慰留
来日7年目の今季は60試合登板で2勝3敗、43セーブ、7ホールド、防御率1.09をマーク。2年ぶり2度目の最多セーブのタイトルを獲得した。
常時150キロ後半の直球に加え、フォークとスライダーの制球力が高く、四球で崩れる心配がない。三振奪取能力が高く、抜群の安定感を誇る。
抑えで苦労している球団は多い。
今季、圧倒的な強さで4年ぶりのV奪回を飾ったソフトバンクはロベルト・オスナが39試合登板で防御率3.76と不安定だった。補強ポイントとなるだけに、獲得に乗り出す可能性が十分にある。
さらに、DeNAも獲得レースに参戦することが報じられている。
中日は慰留に全力を注ぐ。井上一樹新監督がオーナーを務める名古屋市内の焼き肉店「極上松坂牛 樹一」で、指揮官自ら、マルティネスと異例の残留交渉を行ったことを明かしている。
守護神の残留がどんな外部補強よりも大きい
中日ファンからは「ライデルと来年も一緒に戦いたい」と残留を願う声がSNS上で多く寄せられているが、低迷期を支えてきた助っ人右腕に複雑な感情も。
「本人の野球人生を考えたら優勝争いができる球団に移籍した方がいいかもしれない」、「残留が叶わなかったら、パ・リーグに移籍してほしい。セ・リーグで他の球団のユニフォームを着るライデルを見たくない」などの意見がある。
中日が残留交渉に成功すれば、どんな外部補強よりも大きな収穫だろう。今後の動向が注目される。(中町顕吾)