「野党一本化なら、もっと負けていた」 自民党「裏金議員」、何が明暗を分けたのか

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   裏金問題で強い批判を受けた自民党の大物議員らは、無所属で立候補しながらも当選を果たしたり、党公認となっても比例で重複立候補できずに落選したりと、明暗が分かれた。その境ができた原因とは、一体何だったのだろうか。

   「言葉の限りを尽くして説明をさせていただいたつもりですが...」。東京7区から党公認で立候補した丸川珠代元五輪相(53)は、2024年10月27日の衆院選投開票で、早々と落選が決まり、支持者らを前にこう心境を明かした。

  • 丸川珠代氏のインスタグラム(marukawa.tamayo.tokyo)から
    丸川珠代氏のインスタグラム(marukawa.tamayo.tokyo)から
  • 萩生田光一氏(2017年撮影)
    萩生田光一氏(2017年撮影)
  • 丸川珠代氏のインスタグラム(marukawa.tamayo.tokyo)から
  • 萩生田光一氏(2017年撮影)

「裏金議員」出馬選挙区、8割が野党同士で競合

   丸川氏は、裏金問題で重複立候補ができず、自民党の苦戦が伝えられた選挙戦で、「どうかお助け下さい!」と涙ながらに訴えた。しかし、フタを開けてみると、立憲民主党の松尾明弘氏(49)に差を広げられて落選した。

   一方、東京24区で立候補した萩生田光一元経産相(61)は、裏金問題で党公認を得られず、無所属となったが、7選を果たした。立憲民主党の有田芳生氏(72)の追撃を何とかかわした形だ。萩生田氏は、当選が決まると支持者らの前で、「政治家として生まれ変わって、新しい命を吹き込んでいただいた、そんな日だと思っています」と感慨を語った。

   自民党の「裏金議員」ら46人のうち、当選したのは、萩生田氏ら18人だった。丸川氏ら28人が落選したため、裏金議員の勝率は約4割だった計算になる。

   与党が過半数割れする中で、裏金議員が多数生き残った背景には、野党共闘が進まなかったことも指摘されている。報道によると、8割強の選挙区で野党同士が競合したという。

   東京24区の開票結果を見ると、萩生田氏の得票は8万票弱だ。有田氏と国民民主党、日本維新の会の3候補の得票合計は11万票強だったことから、もし3党が統一候補などを立てれば、萩生田氏は落選した可能性があることになる。

   裏金問題で無所属となった兵庫9区の西村康稔元経産相(62)、東京17区の平沢勝栄元復興相(79)も、日本維新の会などの候補が一本化すれば、落選の可能性があった。

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