与野党が火花散らした衆院選 推進で一致したのは「四国新幹線」

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   2024年10月27日に投開票された衆院選では、多くの論点をめぐって与野党が火花を散らし、自民・公明が過半数割れに追い込まれた。そんな中でも与野党の見解が一致した政策が、四国新幹線の建設推進だ。

   自民党は選挙公報に推進を明記。開票特番では、四国選出の野党幹部が相次いで整備の必要性を訴えた。

  • 立憲民主党の開票センターで報道各社の番組に出演する小川淳也幹事長
    立憲民主党の開票センターで報道各社の番組に出演する小川淳也幹事長
  • 全国には「基本計画路線」が11路線もある。令和4年版 国土交通白書から
    全国には「基本計画路線」が11路線もある。令和4年版 国土交通白書から
  • 立憲民主党の開票センターで報道各社の番組に出演する小川淳也幹事長
  • 全国には「基本計画路線」が11路線もある。令和4年版 国土交通白書から

自民は四国の選挙公報で掲げた3つの柱に「新幹線」

   1973年に構想が打ち出された5つの整備新幹線(北海道(青森~札幌)、東北(盛岡~青森)、北陸(東京~長野~金沢~大阪)、九州鹿児島ルート(博多~鹿児島)、九州長崎ルート(博多~長崎))のネットワークは完成に近づきつつある。だが、それ以外に「基本計画路線」が11路線もあり、そのひとつが大阪~徳島~高松~松山~大分を結ぶ四国新幹線だ。

   11路線の中には大阪~鳥取~松江~下関を結ぶ山陰新幹線もあり、石破茂首相は23年12月収録のJ-CASTニュースのインタビューで、

「だって山陰新幹線って、今のままいけば22世紀ですよ?そのころ日本は人口半分。そのときにフル規格の新幹線走らせてどうすんの?という話です」

   などとして「フル規格」ではなく、山形新幹線、秋田新幹線のような「ミニ新幹線」を整備したり、在来線を改修して最高速度を150キロまで上げたりする形に方針転換すべきだとしていた。

   ただ、この衆院選で、自民党は四国新幹線にはきわめて前向きな姿勢だった。

   四国4県で配られた比例代表の選挙公報では「防災・減災 国土強靭化」「合区解消」「新幹線 四国はひとつ」という3つの柱を掲げた。このうち「新幹線」の項目では、

「四国新幹線を基本計画路線から整備計画路線に格上げし、早期実現を目指します」
「予算の拡充や新たな財源の活用など、財政面での道筋をつけます」

   とうたっていた。

「日本の標準装備」「基本的なインフラ」

   野党も整備に前向きだ。立憲の小川淳也幹事長(香川1区)はRSK山陽放送の開票特番で、四国新幹線のような大型公共事業には「賛否両論」あるとした上で、新幹線は「標準装備」「日本の標準装備」だとして推進を訴えた。

「昔は新幹線と言えば東京-大阪の特別な乗り物だったが、今は北海道から東北、九州、長崎に至るまで、日本の標準装備になりつつある。基本的なインフラなので、そういう意味では、四国でもこういうことを現実的に検討していく、あるいは考えていく、今の整備計画に格上げしていくということはありうる、という立場。これは関係各所と、反対意見にも十分耳を傾けながら、検討なり、考えていきたい」

   国民民主党の玉木雄一郎代表(香川2区)も、開票センターのメディア対応で「私はやったらいいと思います」と話した。「四国だけ新幹線がない」とした上で、新幹線が走っている長崎駅や鹿児島中央駅を例に

「トンネルが多いといったいろいろな批判を受けるが、それでも周辺の活性化効果は非常に高い」

とも指摘。さらに、整備新幹線の整備費は国、地方公共団体、JRが負担することを念頭に、

「我々四国の人間も、他の新幹線に乗る時に、お金が、整備新幹線代があの(新幹線運賃の)中に入っている。そのお金が四国に還元されないという意味で非常に不公平」

とも主張した。費用対効果の分析を前提に「是非実現したい」とした。

(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)

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