「退職代行」6人に1人が利用、企業も4社に1社が経験 なぜ利用されたのか...企業はよくよく考えよう/マイナビ・宮本祥太さん

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退職代行の利用、自身のキャリアに本当に必要か考えよう

――「円満退職」が難しい場合の救いになるわけですね。

宮本祥太さん そうですが、一般的に考えると、多くの企業は自社の従業員から直接退職意向を伝えられず突然退職されることを快くは思わないでしょうし、退職代行を利用して転職してきた人を採用しようとする企業にとっても手放しで全て受け入れられるというものでもないと思います。

それを考えると、退職代行を利用する際には自身のキャリアにとっての本当に必要かどうかを十分に考慮する必要もあると思います。

――退職代行を利用して転職を志す人や、受け止める企業側にアドバイスがありますか。

宮本祥太さん 退職代行の利用率は高まっており、どの企業も利用される側に立つ可能性があります。サービス利用の良し悪しは別にして、目を向けるべきは、利用の背景にある「理由」の部分です。

企業は「どうして退職代行が利用されたのか」に目を向け、それを職場づくりに活かしていく姿勢が大切だと思います。退職代行の利用理由が引き留めや伝えづらさに起因する傾向を踏まえると、利用の背景には、働く人と企業間のコミュニケーションのエラーや不足があることが考えられます。

働く人と企業の双方にとって、より納得したかたちでの退職・離職が実現されるためにも、企業はキャリアや退職に関して意思疎通がしやすい環境・風土をつくり、相互理解につながる機会をつくっていくことが重要でしょう。

退職代行サービスは今後ますます増えるかどうかについては、引き続き調査を通して動向を見守っていきたいと思います。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)


【プロフィール】
宮本 祥太(みやもと・しょうた)
マイナビ キャリアリサーチラボ研究員

中途領域など担当。新聞記者を経てマイナビに中途入社。『マイナビ転職』の制作ディレクターとして300社以上の中途採用支援に携わる傍ら、キャリアコンサルタントとして若年層を中心に100名以上の転職相談に対応。
関心のあるテーマは求職者・企業双方の視点から見たジョブマッチング。国家資格キャリアコンサルタント。

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