「グランツーリスモ」AIで進化
スタートアップでも、興味深い展示があった。UAEのディープテック企業・XPANCEOの「スマートコンタクトレンズ」だ。ブースの担当者は、「今日のスマートフォン機能が、コンタクトレンズに集約されるようなイメージ」だと話す。
一般的なコンタクトレンズと同じように装着し、「視線」で各種操作を行うのだ。取材時は完成品の代わりに、視力検査で使うような両目でのぞき見る装置を使って「スマートコンタクトレンズ」の想定仕様を説明してくれた。
視界に緑色のコマンドパネルが表示され、それでコントロールするのだという。将来は外を歩きながら、例えば看板や広告に組み込まれたデジタル情報をコンタクトレンズが読み込み、視界に入って来るようなイメージとのこと。
日本企業も、存在感を示した。AI(人工知能)をテーマにした展示場の特設ステージに登壇した一人が、ソニーAI社長・ミカエル・シュプランガー氏だ。
「ソニーAIのミッションは、AIを活用して、想像力と創造力を解き放つことです」
こう話してから紹介したのが、「グランツーリスモ・ソフィー(Sophy)」だ。
プレイステーションで遊べるカーレースゲーム「グランツーリスモ(GT)」。1997年の誕生から、最新シリーズ「GT 7」まで出ているロングセラーのヒット商品だ。公式サイトによると「ソフィー」は、「深深層強化学習を通じて、世界トップレベルのGTドライバーと競い合うために必要な」コントロール、レーシングスキル、レーシングエチケットを習得した。ソフィーは、「レーシングAIエージェント」と位置付けられている。
異なる車種やコースで何度も試験を経たうえで、GTの「トップドライバー」と2度、レースを行った。シュプランガー氏は、「1回目はソフィーが敗れましたが、その数か月後に実施した2回目には勝利したのです」と明かした。
2023年11月、「ソフィー」がGT7に実装された。現在もアップデートを続けており、「202X年」にはGT以外のゲームでも「次の段階のブレークスルー」を起こすという。
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「GITEX GLOBAL」は10月17日、幕を閉じた。この熱が来春、アジアにも来る。2025年4月23~25日、「GITEX ASIA」がシンガポールで開かれるのだ。日進月歩で進むテクノロジーが半年後、どのような姿になっているだろうか。