「給料デジタル払い」導入企業たった4% 「希望者がいない」「リスクが心配」「手続きが複雑」...それでもキャッシュレス化進めるには?

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   2024年9月、第1号「PayPay」(ペイペイ)のサービス一部開始で、スマホ決済アプリを使った「給料デジタル払い」がスタートしたが、導入に前向きな企業はわずか4%だという。

   帝国データバンクが2024年10月16日に発表した「企業の『賃金のデジタル払い』対応状況アンケート」で明らかになった。

   政府のキャッシュレス化推進事業の柱として2023年4月に始まった事業。いったい何が問題なのか。調査担当者に聞いた。

  • スマホに給料が入っている!(写真はイメージ)
    スマホに給料が入っている!(写真はイメージ)
  • (図表1)企業の賃金デジタル払い対応状況(帝国データバンク作成)
    (図表1)企業の賃金デジタル払い対応状況(帝国データバンク作成)
  • (図表2)賃金デジタル払いの「導入に前向き」な理由トップ3(帝国データバンク作成)
    (図表2)賃金デジタル払いの「導入に前向き」な理由トップ3(帝国データバンク作成)
  • (図表3)賃金デジタル払いの「導入の予定はない」理由トップ3(帝国データバンク作成)
    (図表3)賃金デジタル払いの「導入の予定はない」理由トップ3(帝国データバンク作成)
  • スマホに給料が入っている!(写真はイメージ)
  • (図表1)企業の賃金デジタル払い対応状況(帝国データバンク作成)
  • (図表2)賃金デジタル払いの「導入に前向き」な理由トップ3(帝国データバンク作成)
  • (図表3)賃金デジタル払いの「導入の予定はない」理由トップ3(帝国データバンク作成)

「手続きが複雑」「セキュリティーに不安」の声が大多数

   帝国データバンクの調査(2024年10月4日~10日)は、全国1479社が対象。

   給料デジタル払いの対応を聞くと、「導入に前向き」な企業は3.9%にとどまり、「導入予定はない」(88.8%)が9割近くにのぼった【図表1】。

   「導入に前向き」な企業に理由を聞くと、「振込手数料の削減」(53.8%)でトップ。次いで、「従業員の満足度向上」(42.3%)、日払いや前払いのしやすさから「事務手続きの削減」(32.7%)が続いた【図表2】。

   企業からは「支払いが楽になる」(メンテナンス・警備)といった声があがる一方、「小さな会社での導入は可能かどうかや、実際の事務作業の流れ、必要な手続きなどを知りたい」(情報サービス)といった声も寄せられた。

   前向きに考えている企業でも制度・サービスに関する情報や理解が十分でない様子がうかがえた。

   「導入予定はない」企業に理由を聞くと、デジタル払いと口座振込の二重運用や労使協定の改定など「業務負担の増加」(61.8%)がトップに。次いで、「制度やサービスに対する理解が十分でない」(45.0%)、「セキュリティー上のリスクを懸念」(43.3%)が4割台で続いた。

   企業からは、「振り込み処理が複雑になる」(機械製造)や「セキュリティーが十分とは思えず、従業員も不安に思っている」(服飾品製造)など不安な声があがった。さらに、「地方ではデジタル払いのできる店舗が限られる」「従業員からの要望がない」などの意見も聞かれた。

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