10代若者の約3割がスマホ動画を1日6時間以上視聴 「貴重な青春を浪費していいのか?」ベテラン記者は心配...調査担当者に聞く

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   10代若者の約3割が、1日にスマホ動画を6時間以上も見ているという。

   NTTドコモのモバイル社会研究所(東京都千代田区)が2024年10月21日に発表した「スマホ動画の視聴時間調査」でわかった。

   大事な青春をそんなことに浪費していいのか。心配になった70代記者が調査担当者に聞いた。

  • スマホ動画を1日6時間以上も(写真はイメージ)
    スマホ動画を1日6時間以上も(写真はイメージ)
  • (図表1)性年代別の「スマホでの1日当たり視聴時間」(モバイル社会研究所作成)
    (図表1)性年代別の「スマホでの1日当たり視聴時間」(モバイル社会研究所作成)
  • (図表2)よく見ているコンテンツ別「スマホでの1日当たり視聴時間」(モバイル社会研究所作成)
    (図表2)よく見ているコンテンツ別「スマホでの1日当たり視聴時間」(モバイル社会研究所作成)
  • スマホ動画を1日6時間以上も(写真はイメージ)
  • (図表1)性年代別の「スマホでの1日当たり視聴時間」(モバイル社会研究所作成)
  • (図表2)よく見ているコンテンツ別「スマホでの1日当たり視聴時間」(モバイル社会研究所作成)

若い世代、そして女性ほどスマホ動画を見る時間が長い

   モバイル社会研究所の調査(2024年2月)は、全国の15歳~79歳の男女5719人が対象。

   まず、仕事での利用を除いた場合、スマホでの1日の動画視聴時間を聞くと、「30分未満」が全体で2割超。「30分~1時間未満」「1~2時間未満」「2~4時間未満」が2割程度で、「1日2時間以上」が全体で4割を超えた【図表1】。

   性別や年代別にみると、10~20代の男女は「30分未満」が1割未満。一方、60~70代のシニアは男女ともに約4割が「30分未満」だった。特に目立つのが、10代男女と20代女性の約3割(25%超)が「6時間以上」であること。若い世代ほどスマホでの1日の動画視聴時間が多かった【図表1】。

   よく見る動画のコンテンツと1日のスマホ動画視聴時間の関係を聞くと、ゲームやアニメ、音楽を見る人の約2割が、1日に6時間以上スマホで動画を視聴していた【図表2】。

   ゲームをよく見ている人は約6割が1日2時間以上、アニメをよく見ている人は約5割が1日2時間以上、何らかの動画を視聴していた。その一方で、教養・学習やニュース、」スポーツといった、どちらかというとお堅い動画をよく見ている人は約3割が「30分未満」と、動画を見る時間が少ない傾向がみられた【図表2】。

若い女性のスマホは、日常生活で手放せないコミュニケーションツール

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を担当したモバイル社会研究所の佐藤仁(ひとし)さんに話を聞いた。

――スマホで動画を見る時間は、全体的に長くなっているのですか。

佐藤仁さん 今年(2024年)8月に公開した調査では、ここ1~2年でのスマホ利用時間が「長くなった」と答えた人が25%、一方で「短くなった」は5%のみという結果でした。

10代女子は約6割、10代男子は約4割が「長くなった」と回答しています。また、ネット動画の視聴時間も10代女子は約6割、10代男子は約4割が「長くなった」と回答しています。

――若い人ほど、しかも女性ほど1日のスマホ動画視聴時間が長くなっているのはなぜでしょうか。

佐藤仁さん 特に若い女性にとっては、スマホはコミュニケーションツールとして、日常生活で手放せないものになっていることは要因の1つだと思います。「TikTok」などの面白動画を友だちとの共通の話題としてシェアしあったり、推しの動画をみたり、手軽に、スキマ時間に利用しているのかもしれません。

また、多くのテレビ番組がTVerのようにスマホで簡単視聴できるようになったことも要因かもしれません。

「教養・学習・自己研鑽」や「ニュース」は幅広い年齢層に視聴されるコンテンツ

――「よく見るコンテンツ別」視聴時間をみると、ゲームやアニメをよく見ている人のスマホ動画を見ている時間が長い傾向があります。逆に「教養・学習・自己研鑽」や「ニュース」をよく見る人では短くなっています。
これは、言い方は不適切かもしれませんが、真面目な人ほどスマホ動画に没頭しないと理解していいのでしょうか。

佐藤仁さん スマホでゲームやアニメを視聴している人は、もともとスマホで動画を長時間視聴する傾向が高いと考えられます。

「教養・学習・自己研鑽」や「ニュース」は若年層だけでなく幅広い年齢層に視聴されるコンテンツなので、真面目な人ほどスマホで動画視聴に没頭しないというわけではないと思います。

簡易な(短時間の)「すぐにわかる〇〇」といった学習系の動画コンテンツも最近では大量に出回っていますが、しっかりと学習するような長時間の動画コンテンツなどは、スマホでなくテレビやパソコンで視聴している人も多いのかもしれません。

また、ニュースなどもスマホだけでなくテレビで視聴している人が多いと思います。

スマホ動画を長時間見ても、しっかり勉強して青春を謳歌するのが今の若者。

――なるほど。しかし、現在74歳の私は10代の若者たちにあえて言いたい。君たち、二度と来ない青春を動画視聴に浪費していいのか。1日6時間以上もスマホ動画を見て、いつ勉強するのか。
スポーツとか、アウトドア活動とか、友人や仲間と生の交流とか。若者らしいことにもっと時間を使わないと、青春はあっという間に終わってしまうぞ、と......。こうしたオールド世代の心配についてはどう考えていますか。

佐藤仁さん 私たちの世代もテレビを長時間見ていましたが、勉強もやっていたし、アウトドア活動、仲間との交流はしていました。現在でもスマホで動画を長時間視聴していても、アウトドア活動、仲間との交流といった学校生活は謳歌していると思います。

また、若い世代の方はスマホのオンライン学習で勉強をしたり、電子書籍で読書をしたりしていることも多いです。現在の若い人たちはスマホが生活に密着したものになっているので、友達と過ごす時間の中に、スマホが入ってきているのかと思います。

ただ、スマホばかり見ていると視力が低下したり、夜眠れなくなったりすることもあります。メリハリをつけて、たとえば「夜10時以降はスマホを見ない」「寝る時には布団にスマホを持ち込まない」といったマイルールを作るのがよいと思います。

――今回の調査で、特に強調しておきたことがありますか。

佐藤仁さん 動画コンテンツは日々大量に作られてきています。またスマホも日用品として常に手元にあります。若年層だけでなく中高年層でもスマホでの動画視聴が広がっており、1日に2時間以上スマホで動画視聴している方が4割います。

1日1時間以上スマホで動画視聴している方は全体で6割を超えています。どの世代でもスマホでの動画視聴が浸透してきていますので、今後もスマホでの動画視聴の調査を続けていきたいです。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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