中東ドバイで開かれたIT展示会「GITEX」。そのイベントのひとつ「EXPAND NORTH STAR」に集まったクライメート(気候)テック企業について、前回取り上げた。
「EXPAND NORTH STAR」は、テーマごとに10か所のホールに分かれていた。クライメートテック関連のテーマは「未来の惑星」と題され、「ホール7」に集中。公式発表によると、参加したスタートアップなど企業は180社を超え、投資家も100人以上を数えた。
温室効果ガス対策、リチウムイオン電池のリサイクル...
企業の出展ブースは、何人も入れる大きな部屋から、机1つ分までさまざま。だが広さに関係なく、多くのブースでは訪問者への対応や、展示内容を説明する声が聞こえてきた。
参加したスタートアップは、世界各地から集まった。地元UAE(アラブ首長国連邦)のクライメートテック企業「Coral」は、企業が排出する温室効果ガスの管理ソフトを開発。排出状況を追跡・分析し、その結果に基づいて、「排出量低減」につながるプランを提案する。
UAEは2050年までに、温室効果ガスの排出量から吸収・除去量を差し引いてイーブンの状態にする「ネットゼロ」を達成すると、21年に宣言している。ただ企業活動においては、排出量低減に努めるにせよ、全く出さないわけにはいかない。
Coralではこうした企業に、再生可能エネルギープロジェクトや植林を支援するなどして、排出分をオフセット(相殺)できる提案をする。
ほかにも、出展企業の事業内容は多様だ。
廃棄された食料を航空機の燃料に変えるバイオテクノロジー、大気中の二酸化炭素を効率的に回収して厳重に管理貯蔵する技術、太陽光の捕集量を従来比で25%高めたシステムを開発し、効率的な太陽光発電の実現を目指すベンチャー企業、電気自動車に使われるリチウムイオン電池を、独自技術を使ってリサイクル――。
会場に設けられたステージでは、スタートアップが自社ビジネスをプレゼンテーションする時間もあった。その一つ、インドのベンチャー企業「WITUOUT」の創業者アニシ・マルパニ氏の話を聞いた。