「キャリア自律」に追い込まれる20~30代、離職理由の半数以上「キャリア構築の不安」...スキルアップの方法は?/リクルート・藤井薫さん

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「自分の強み・持ち味・市場価値が分からない」悩み

   J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を担当したリクルートHR統括編集長の藤井薫さんに話を聞いた。

――20~30代の若手の間でキャリア自律に関して「重要な課題だ」と感じている人が半数近くいます。ところが、その一方で、不安や息苦しさ、焦りを感じる人が3割近くいます。若い人が、キャリア自律を意識するあまりプレッシャーを感じているということでしょうか。

藤井薫さん 多くの方がキャリア自律の重要性を認識しながら、同時に不安や息苦しさや焦りを感じる背景には、VUCA(ブーカ)と呼ばれるビジネスの不確実性の高まりがあります。

VUCAは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの言葉の頭文字をとった造語です。

これまでの長期雇用保障を前提とした日本型雇用の転換があると捉えています。デジタル化やグローバル化が加速する非連続なビジネスで、自らのスキルやキャリアがコモディティ化(市場価値の下落)していないか? 人生100年時代の長く働く時間のなか、1つの企業や1つの事業サービスに過剰に依存しないで、活躍し続けるためにはどうしたらいいか?

こうした自分の将来キャリアの重要性と、変化の方法への不安がこれまで以上に増大している証だと思います。

――若手がみんな、必ずしも悲観的ではないということですか。

藤井薫さん 一方で、キャリア自律に対して期待や希望を感じている方も一定数おり、ポジティブな想いとネガティブな想いが入り混じっている状況が見受けられます。

2023年に実施した調査では、キャリア自律に関する課題として「何をしたらいいか分からない」が最も多く、続いて「自分の強み・持ち味・市場価値が分からない」という回答が約3割ずつ上位に挙がりました。キャリア自律実現に向けたヒントを見いだせていない個人が少なくないことが明らかになりました。

キャリア自律に対して希望や期待を持ちながらも、自分の現状がまだ道半ばであり、その実現に向けた具体的な方法を見つけられていないことが、多くの方にとって不安の原因になっていると考えられます。
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