中国市場の存在が大きく、急に止められないジレンマ
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なった東京商工リサーチ情報部の担当者の話を聞いた。
――中国では、今年6月にも江蘇州でも刃物を持った男に襲われて、日本人親子がけがを負う事件も起きています。今回の調査では、「駐在者に注意喚起」が8割以上の一方、家族を帰国させるといった厳しい対応をとる企業が少ない印象を受けますが、ビジネス上やむをえないのでしょうか。
担当者 経済活動が長期にわたって停滞している日本にとって、中国マーケットの存在は大きな意味があります。そんな中国ビジネスを急に止めることはできず、「注意喚起」にとどめていると思われます。
今回の事件は、政治的な側面が見え隠れするため、ビジネス分野ではまだ安全対策の最優先の面で様子をうかがっているのだろうと思います。ただ、事業規模が大きい企業は、新規駐在の停止や家族の帰国を促すなどの対応をとっており、中国ビジネスへの依存度でも温度差があるかも知れません。