廿日市市教委「学校の意向確認し、主体的に参加」
市民団体の抗議について、廿日市市教委の学校教育課は10月15日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように話した。
「様々なご意見をお持ちになる方もおられ、その1つと考えています。抗議文を持って来られ、『ご意見として承知しました』とお伝えしました。プロレベルの演奏に触れて、生徒らの意欲や技術が向上すればいいと考えており、悪いと思ってやってきたわけではありません。来年のことはまだ決まっていませんが、今のところ後援を中止する考えはありません」
自衛隊の勧誘につながるとされたことについては、こう説明した。
「以前は、自衛隊の活動をパネル展示するなどしたブースが会場にありましたが、今はなくなっています。自衛隊の勧誘活動にはつながっておらず、子どもたちの個人情報の提供もありません。そもそも、自衛隊は法で認められている組織です」
中学生のコンサート参加を強制していることも、否定した。
「吹奏楽部のある学校の校番順に回していることは事実ですが、何が何でも参加しなければいけないことはありません。『チャンスがありますがどうですか?』と学校の意向を確認し、その意思がある学校が主体的に参加しています」
一方、抗議した団体の1つ、教科書問題を考える市民ネットワーク・ひろしまの事務局では15日、取材に対し、その理由を次のように説明した。
「自衛隊の存在に抗議しておらず、廃止を求めてもいません。ただ、学校教育の中に入っていくことが、健全な状態にはならないことを心配しており、将来の子どもたちにとって危険なことを訴えたかったわけです。5項目の問題点が今の状況下で現実的になっており、自衛隊とのふれあいは問題があるので止めてほしいと思っています」
職業差別に当たるのではないかとの指摘については、こう反論した。
「差別になることは書いておらず、見当違いの思い込みではないですか。市や市教委には、後援するのを止めてほしいと思っており、抗議活動は今後も続けていきます」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)