大手4キャリアのスマホサービスのシェアと満足度はどこが高いのか。
モバイル専門の市場調査を行うMMD研究所(運営元はMMDLabo、東京都港区)が2024年10月10日に発表した「2024年9月 MNOのシェア・満足度調査」によると、トップ3に君臨している「docomo」「au」「SoftBank」が、シェアで楽天モバイルの追撃を受けている。総合満足度でも抜かれてしまった。
いったい何が起こっているのか。調査担当者に聞いた。
「満足度」トップ3は、「povo」「LINEMO」「楽天モバイル(MNO)」
MMD研究所の調査(2024年9月13日~24日)は、スマホを所有している18歳~69歳の男女4万人を対象に予備調査が行われ、その後、各プランのユーザー(300人ずつ計2700人)に本調査が行われた。
調査対象となったサービスは、携帯電話大手4社の「docomo」(NTTドコモ)、「au」(KDDI)、「SoftBank」(ソフトバンク)、「楽天モバイル(MNO)」(楽天モバイル)と、サブブランドの「ahamo」(NTTドコモ)、「povo」(KDDI)、「UQ mobile」(同)、「LINEMO」(ソフトバンク)、「Y!mobile」(同)の9つだ。
まず、通信契約しているスマホ所有者3万6509人に、メインで利用している通信サービスを聞いた。大手4社の9サービスを利用しているのは合計90.7%で、残り9.3%がいわゆる「格安スマホ」の「MVNO」だった。
大手4社9サービス利用者3万3106人に絞り、そのシェアを調べると、1位「docomo」(30.1%)、2位「au」(16.6%)、3位「SoftBank」(11.6%)、4位「Y!mobile」(11.4%)、5位「楽天モバイル(MNO)」(10.2%)、6位「UQ mobile」(9.7%)、7位「ahamo」(6.6%)、8位「povo」(2.5%)、9位「LINEMO」(1.4%)という順になった【図表1】。
大手3社の「docomo」「au」「SoftBank」がそれぞれ0.5~0.9ポイントほどシェアを減らしたのに対し、「楽天モバイル(MNO)」が1.6ポイントもシェアを伸ばしたことが目立つ。
ところが、予備調査から9サービスを利用している2700人(各300人ずつ)を抽出して「総合満足度」を聞くと、順位が大きく変わった。
「満足度」を、「料金部門」(安さ、プランの分かりやすさ)、「サービス部門」(提供端末やオプションプランの豊富さ)、「通信品質部門」(データ通信速度、つながりやすさ)、「顧客サポート部門」(情報の豊富さ、サポート対応の良さ)の4部門で聞き、合計ポイント(1000満点)で「総合満足度」をランキングする。
すると、意外な結果に。
満足度1位に、シェア8位の「povo」(757点)が、2位にシェア9位の「LINEMO」(748点)が、そして3位にシェア5位の「楽天モバイル(MNO)」(732点)が入った。
一方、満足度下位の6位にシェア2位の「au」(669点)、7位にシェア1位の「docomo」(661点)、8位にシェア3位の「SoftBank」(637点)が入った【図表2】。
つまり、シェア上位3つが、満足度では下位3つにそのまま陥落する逆転劇になったわけだ。これはどういうわけか。