巨人は日本シリーズに進出できるか? 元コーチが経験した短期決戦の「難しさ」...勝負の分かれ目、最重要ポイントは

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   プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが2024年10月16日に東京ドームで初戦を迎える。

   リーグ優勝を果たした巨人が、下剋上で日本シリーズ進出を目指すDeNAと対戦する。スポーツ紙の報道によると、初戦の先発は、巨人が戸郷翔征投手(24)、DeNAはアンソニー・ケイ投手(29)が見込まれる。

  • 巨人の本拠地・東京ドーム
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「阪神の投手陣は悪い方の流れに乗ってしまった」

   ファイナルステージを制すのは、就任1年目の阿部慎之助監督(45)率いる巨人か。それとも強力な攻撃陣を誇るDeNAか。

   J-CASTニュースは、巨人、西武、ヤクルト、楽天でコーチを歴任し、指導者としてCSを戦った経験を持つオイシックス新潟アルビレックスBC監督の橋上秀樹氏(58)に占ってもらった。

   リーグ3位のDeNAは、CSファーストステージでリーグ2位の阪神に2連勝してファイナルステージ進出を決めた。

   ファーストステージ初戦は10安打を放ち3-1で勝利。第2戦は打線が爆発し、計15安打を記録して10-3で大勝した。橋上氏はDeNAの戦いについて、次のように解説した。

   「圧倒的な戦力差がある場合は別として、そうでない場合は多少の実力差だったら短期決戦は勢いで乗り切れてしまう。ファーストステージでは、DeNAは2試合とも攻撃陣の内容がよかった。DeNAが阪神に勝つには、打ち勝つしかない。投手力では阪神に分があった。短期決戦の勢いもあり、阪神の投手力をDeNAの攻撃陣が粉砕した。逆に阪神の投手陣は、悪い方の流れに乗ってしまった感じがします」

   橋上氏は過去にファイナルステージを戦った経験から、初戦が重要なポイントになると指摘した。

   巨人と西武のコーチ時代にリーグ優勝を果たしながらも、ファイナルステージで敗退した経験を持つ。巨人時代の14年は、リーグ2位の阪神に4連敗。西武時代の18年は2位ソフトバンクに2勝(1勝はアドバンテージ)4敗で負けた。いずれも初戦を落としての敗退だった。

「巨人は短期決戦に向いたチーム」

   橋上氏はファイナルステージ初戦の重要性について、こう説明した。

   「コーチ時代にクライマックスシリーズを経験し、その時も初戦の大切さを経験したが、クライマックスシリーズを紐解いて数字を見てみると、初戦の大切さは明らか。巨人時代に、初戦の良し悪しというのが短期決戦を大きく左右すると感じました。ファイナルステージは、移動日もなく球場も変わらないので、負けた場合、気持ちなどを切り替える時間があまりない。日本シリーズならば、移動日が入って球場も変わるので雰囲気が変わるが、移動日がなく同じ球場でぶっ通しでやるので、あれよあれよという感じで終わってしまう」

   ファイナルステージ初戦で悪い流れに傾くと、自力で流れを変えることは難しいという。橋上氏は自身の経験から、戦い方の難しさに言及した。

   「よほど何か流れを変えるような大きな出来事がない限り、流れを変えるのは難しい。流れを変える何かは、自分のチームではなく、相手チームの大きなミスなどです。流れの悪いチームはなかなか自発的に流れを変えることはできない」

   指導者として何度も短期決戦を経験してきた橋上氏は、次のように展望を占った。

   「巨人の場合、ピッチャー陣はよいので、初戦でケイ投手をどれだけ打てるか。例外はあるが、短期決戦はロースコアの戦いになることが多い。そうなると、巨人の守備力と投手力。ディフェンス力はセ・リーグで1番よいので、短期決戦に向いたチームだと思います。ホームのアドバンテージもある。シーズン中の両チームの対戦成績を見れば、巨人が有利にかわりないでしょう。ただ、巨人は初戦を落とすとバタつくと思います」

   ファーストステージ2連勝で勢いに乗るDeNAに対し、リーグトップの投手力を誇る巨人がどのように迎え撃つか。注目のファイナルステージは16日に開幕する。

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