「あなたのジーンズ、返してください。」──。
ジーンズ大手のエドウイン(東京都品川区)が、リサイクル企画の一環で、穿かなくなったジーンズの回収を客に呼びかけている。そのキャッチコピーがXで注目され、言葉の表現に波紋が広がった。呼びかけの真意はどこにあるのか。エドウインに取材を申し込んだ。
プロジェクト開始3年後のポストで注目集まる
冒頭のキャッチコピーは、ジーンズを資源として活用することで環境負荷を減らす取り組み「CO:RE(Cotton Recycle)プロジェクト」への参加を呼びかけるために展開された。企画の趣旨は公式サイトで下記のように説明されている。
「自社工場から排出された『裁断くず』と、お客様から回収した『はかなくなったジーンズ』を、さまざまなリサイクル技術を用いて再びデニム生地やジーンズ製品として生まれ変わらせています」
公式サイトや一部直営店で、ブランドや状態を問わずジーンズを回収し、参加者には対象店舗で使える500円分の期間限定ポイントを贈るという。実施期間は2021年4月~25年3月までで、開始から既に3年以上経過している。
キャッチコピーについては24年10月、Xユーザー・すき焼き奉行(@SukiyakiBugyo)さんが「なんか自分でジーンズ買ったのにこの言い方は癪だな」と写真を投稿したところ、8万6000件超の「いいね」を集めるなど改めて注目が集まった。
そして言葉の表現をめぐってXでは、「有償で買ったものを無償で譲ってもらうのならば言い方というものがある」「借りてたみたいな言い方しないで」「こっちが盗んだり奪ったりしたんか?って聞きたくなる」「言ってる事は分かるんだけど、ちょっとムカつく台詞」「還して ならまだ良かった」などと違和感を訴える声が相次いでいる。
ただ、「敢えて違和感のある文言にしてバズらせるマーケティングが成功してる」「返しに行く人も増えるだろうからね」といった見方も出ている。