女子児童を連れ去ろうとした不審な男に対し、通りがかった男子児童が声をかけると...。こんな事案を取り上げた防犯通知がX上で取り上げられ、大きな話題になっている。
声をかけられた男は、慌てた様子で立ち去ったという。ピンチを救った男子児童について、高知署では、「下級生を守った勇気ある行動で、とてもありがたいと思っています」と話している。
「おっさんなにしゆが」土佐弁で声かけ
この防犯通知は、2024年10月8日にヤフーのアプリなどで配信された。高知市内で4日朝にあった不審者による声かけ事案だ。
それによると、女子児童が1人で小学校へ登校していると、帽子にマスクをして黒っぽい服を着た50~60歳の男が、女子児童にこう声をかけたという。
「お母さんに学校へ行くのが心配だからと頼まれたから迎えに来た」
女子児童は、男に面識はなかったが、男は、女子児童の手を引っ張って連れ去ろうとした。そこに男子児童が通りがかり、男にこう声をかけた。
「おっさんなにしゆが」
すると、男は慌てた様子で立ち去ったとしている。
こうした防犯情報を伝える通知の画像は、8日にXで投稿され、投稿者は、連れ去ろうとした男は気持ち悪いが、男子児童はカッコいいと紹介した。
この投稿は、大きな反響を呼び、13万件以上の「いいね」が集まっている。
女子児童の誘拐にもつながりかねなかっただけに、「怖いね。でも助かって良かった」「早く捕まって欲しい...」といった声が上がった。そして、女子児童を救った男子児童に対しては、次々に賞賛の声が寄せられている。
「男の子偉い!」「めちゃくちゃ勇気あるねー!!」「女の子を救ってくれて本当に良かった」
土佐弁を使っていたことから、「令和の坂本龍馬か」などとなぞらえる向きもあった。
今回のエリアを所管する高知署は10日、J-CASTニュースの取材に対し、こう話した。
高知署などが過去の事案で警告したが、今回との関連は不明
「子供が被害に遭うところでしたので、いち早く防犯情報を流しました。男子児童は、下級生を守った勇気ある行動であり、とてもありがたいと思っています。学校でも、注意喚起してほしいと思っています」
必要があれば、男子児童の表彰なども担当課で検討するのではないかとした。
女子児童を連れ去ろうとした男については、防犯カメラの映像なども確認するとしたが、捜査状況については答えられないとしている。
近くの小学校の校長は10月10日、取材に対し、次のように話した。
「保護者から警察に被害状況を届けており、警察が保護者から聞き取りをして防犯情報を出していると聞いています。学校でももちろん、注意を呼びかけています」
女子児童は1人で登校していたが、高知市教委の学校教育課によると、集団登下校は学校それぞれで判断しているという。前出の小学校長は、交通安全のため地域の人たちが交差点で見守りをしていることなどから、集団登下校はしていないとした。
ヤフーのアプリなどで配信された防犯通知を見ると、9月に入ってから、高知市内では、不審な男らが女子児童などに露出行為をしたり、触ったりするなどの事案がいくつかあった。
10月10日には、4月や8月に女子児童に声をかけたりつきまとったりしていた事案について、高知署などが男を特定して警告していた。通知では、「不審者事案の解決」とされていたが、今回の声かけとの関連については不明だ。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)