夜行列車「復権」果たすか 宿泊価格は高騰、時間を有効活用でき楽しく旅する手段に

車両不足で運休「サンライズ出雲」、ふだんは遅延も多い

   8月29日、「サンライズ瀬戸・出雲」に使用されている車両が、鳥取県米子市の後藤総合車両所内にてほかの車両と接触し、車両の一部が損傷した。その影響で、「サンライズ出雲」の下り列車は10月15日~26日、上り列車は10月14日~25日に運休することになった(間で運転する日もあり)。いっぽう、「サンライズ瀬戸」は運転する。

   いま、唯一の定期夜行列車として「サンライズ瀬戸・出雲」は人気が高く、チケットが取りにくい。

   車両は7両編成が5編成、そのうちの4編成(東京~岡山間は2編成を併結)でふだんは運行し、残り1編成は検査などで休むという体制をとっている。だがそれが不可能となり、運休するしかなくなったのだ。

   「サンライズ瀬戸・出雲」には、ほかに課題がある。出発時刻も到着時刻も夜行列車としては便利な時間で、岡山で新幹線と接続し広島・博多方面への利便性も高いのだが、遅延や途中での運転打ち切りが多い。SNSなどでは「サンライズ」の遅延報告がたびたび出てきている状況で、定時性に難がある列車となっている。時間の有効活用として夜行列車は便利なものなのか? と言われると、「ううむ」とうなるしかない。

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